誰も座っていない運転席で、ハンドルだけがするすると回る。6月下旬、アメリカ・カリフォルニア州のシリコンバレーで、Googleの自動運転プロジェクトから生まれたWaymo(ウェイモ)の無人タクシーに乗った。渋滞も工事区間も、車は自分の判断で走り抜けていく。
車両はイギリス・ジャガーの電気自動車「I-PACE」をベースにしている。乗り込んでシートベルトを締め、後部座席の画面で開始をタップすると、車はひとりでに車道へ出ていく。加減速は滑らかで、最初こそヒヤヒヤするものの、数分も走れば無人であることを忘れて景色を眺めていられる。
制限速度にぴたりと張り付く
制限速度が時速35マイル(約56km)の道では35マイルちょうど、50マイル(約80km)の道では50マイルに、メーター読みで1マイルもぶれずに張り付く。筆者が中国・深圳で乗ったPony.ai(小馬智行)の無人タクシーも制限速度の上限を守って走ったが、Waymoの張り付き方はいっそう厳格だ。25マイル(約40km)の標識を通過した数秒後にぐっと減速する場面もあり、地図データに加えて標識をカメラで読み取っているとみられる。
後部座席の画面には、センサーが認識した周囲の状況が3D映像で表示される。3つ先の交差点で待つ車まで描画される一方、それぞれの車はのっぺりとした塊として描かれ、車種までは分からない。自転車に乗った人もひとつずつ認識され、これから進む経路は緑色のラインで示される。近くを走る別のWaymo車両だけは青く塗り分けられる。工事区間ではパイロンが1本ずつ画面に現れ、車はためらわずに隣の車線へ移った。

