ところが2026年5月21日、全市場で高速道路走行を一時停止した。ロイター通信などの取材に同社が認めたもので、工事区間での走行性能を改善するための措置だと説明している。直前には、乗車中の車両が工事用コーンを突っ切ったとする利用者の動画がSNSに投稿されていた。停止後はアプリが一般道経由のルートしか示さなくなり、アメリカ・PCMagは、サンフランシスコ市内から国際空港までの所要時間の見積もりが1時間33分と表示された例を報じた。
同じ時期には冠水への対応も重なった。アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)への届け出によると、冠水した道路に進入するおそれのあるソフトウェアの欠陥で、Waymoは約3800台をリコールした。大雨が続いた南部のアトランタやヒューストンなどでは、サービスを一時停止した。NHTSAは1月にも、サンタモニカで学校近くを走行中の車両が児童と接触した事案を受けて調査を始めている。7月に入り、公式サイトのヘルプページから高速道路一時停止の記載は消えたものの、再開を告知する発表は出ていない。
週50万回、東京では乗務員が運転する
東洋経済オンラインは2017年、分社化して間もないWaymo本社での試乗を報じている(関連記事)。当時の車両はレクサスのSUVをベースにした試験車で、運転席には試験ドライバーが、助手席にはノートパソコンを開いたエンジニアが乗り込んでいた。一般向けにはアリゾナ州フェニックスで試験サービスの参加受付を始めたばかりだった。それから9年で、運転席は空になった。
高速道路でのつまずきはあっても、拡大のペースは落ちていない。Waymoの発表によると、2025年の乗車回数は1500万回と前年の3倍以上に増え、2026年3月時点ではアメリカ10都市で週50万回以上の有償乗車を提供している。累計3億kmに及ぶ無人走行で、92%の安全性能向上を実現したと同社は説明する。
2026年末までに週100万回という目標を掲げ、年初には160億ドルを調達した。アメリカ・ブルームバーグなどによると、調達後の評価額は約1260億ドルにのぼる。
日本では2024年12月にタクシー大手の日本交通、タクシーアプリのGOと提携し、2025年4月から東京都心7区(港・新宿・渋谷・千代田・中央・品川・江東)で走行データを集めている。ただし運転席に座るのは日本交通の乗務員で、無人での走行はまだ始まっていない。
サービスの開始時期も未定だ。3月の説明会に合わせてWaymoが公開した発表文で、日本交通取締役でGO代表取締役会長の川鍋一朗氏は、乗務員が幹線道路から狭い生活道路まで多様な道路でWaymo車両を運転し、東京の複雑な都市環境に自動運転技術を適応させるためのデータを提供してきたと説明した。
東京ではイギリスWayveとアメリカUber、日産自動車の3社連合も、2026年後半に日産リーフをベースにした車両で自動運転タクシーの試験運行を計画している。
アメリカ外でのサービスは、2026年中の開始を予定するロンドンが先行する。東京の番はその後にやってくる。

