有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #日本野球の今そこにある危機

「感動をありがとう」の日本、「監督は出て行け」の韓国…W杯敗退で浮き彫りになった「敗者への向き合い方」の決定的違い

9分で読める
日本と韓国の対照的な反応はなぜだったのでしょうか(写真:AFP=時事)
2/4 PAGES

異例なことに森保監督の会見では、韓国メディアから「韓国代表についてどう思うか?」という質問が飛んだ。不躾だとは思うが、森保監督は「軽々しくコメントできることは少ない」と言葉を選びながら「過去最低ということはない。結果を出すための努力は最大限している」「国のために頑張ってきたことを考えていただいて、賞賛もあってもいいのかなと」と語り、「褒める報道をしてあげてください」と言ったという。森保一、洪明甫は日本的に言えば「同学年」であり、ともにJリーグでプレーした元選手だ。森保監督が同じ境遇にある洪監督に「惻隠の情」を示したと考えるべきなのだろう。

韓国では、今回の敗戦に対して「監督選任の手続きに不透明さや規定違反があった」とする批判が再燃し、李在明大統領が所管官庁に調査と再発防止策の検討を求める事態になっている。韓国の李在明大統領は「能力よりも“身内を重視”し、無能な人を指揮官に選べば結果は明らかだ」とXに投稿した。日韓での「敗軍の将」を迎え入れる姿勢は、天と地ほども違っていたのだ。

韓国は1勝2敗の勝ち点3でグループA3位になった。参加チームが32から48に拡大した今大会は、各組上位2チームに加え、3位チーム12カ国のうち成績上位8チームがラウンド32に進出できる。韓国は3位チーム12カ国中10位にとどまり、勝ち点3、得失点差マイナス1で上位8チームに入れなかった。もし僅差ででも進出できていれば、こうした国を挙げた激しいバッシングは起こらなかっただろう。複雑な思いがする。

昭和・平成の日本も「敗者に寛容」ではなかった

「これが日本と韓国のスポーツに対する理解度の差だ」などという声も上がっているが、筆者は日本が昔からここまで「敗者に寛容」ではなかったと思う。たかだかここ30年ほどの間に、日本のスポーツファンの意識が大きく変わったのだと思う。

昭和の時代、人気プロスポーツと言えばプロ野球しかなかったが、観客はお世辞にも「お上品」とは言えなかった。観客もまばらな大阪球場、南海ホークスの捕手兼任監督の野村克也がグラウンドに姿を現すとスタンドから「監督!お前のチームの弱点、教えたろかー」と声がかかった。野村が、その方を向くと「キャッチャーや!」――スタンドがどっと沸いた。40歳を過ぎた捕手野村はお世辞にも俊敏とは言えなかった。味方投手も勝てば誉めそやし、打ち込まれれば「いつまで投げとんねん!引っ込まんかー」と大きな声が飛んだものだ。

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数