実際、町田パリオ店では注文はQRコードに対応し、水やお茶はセルフで利用できる。訪問時、ホールは1人で回していた。一方で、厨房には複数のスタッフが入っていた。注文や客席まわりは省力化しつつ、調理には人を割く。
思い返せば、玄米ごはんにみそ汁、主菜、そして小鉢がいくつも並ぶあの一皿が、注文から6分で出てきた。手のかかる品数を短時間で出すには、厨房側の体制も必要になる。低投資・省人化とひとくちに言っても、省くところと、あえて人を残すところがある。そう見えた。ただし、これは一店舗の一場面にすぎない。事業としての採算がどうかは、開示された数字からはまだ見えない。
「日常の一食」をどこまで取れるか
町田パリオ店で見えたのは、満席の勢いではなかった。急ぐでもなく、構えるでもなく、日常の一食をとる客の姿だった。自宅でそろえるには手間のかかる一食が、駅前で、短い待ち時間で出てくる。そこに、この店が選ばれる理由の一端があった。
外食に求められるものが、特別な楽しみだけでなく、日常を支える一食にも広がっているなら、ハンバーガーの会社がその需要を取りにいく理由はある。
ただ、それを利益の出る事業として、どの立地で、どんな形なら続けられるのか。現状はまだ、出店と閉店を重ねる段階にある。町田の定食屋は、モスフードサービスがその問いに出した、ひとつの現在地だ。

