「ロジカルハラスメント(ロジハラ)」という言葉は、これまで主に上司から部下へという一方向の問題として認識されてきました。
しかし近年、職場の構造は大きく変わりつつあります。AI・IT領域の急速な進化により、知識の中心が若手側に移動し、部下から上司へのロジハラという新しい現象が顕在化しています。
ロジハラは、単なる「論理的な指摘」ではありません。相手の人格や役割を否定するような形で論破し、コミュニケーションの主導権を奪う行為です。そのため、上下関係にかかわらず、誰もが加害者にも被害者にもなりえます。
今回は、部下がロジハラを受けた場合の対処法、そして上司が部下からロジハラを受けた場合の対応策を整理し、双方向ロジハラ時代に必要な「合意形成型コミュニケーション」について考えていきます。
上司からのロジハラに苦しんでいるなら…
上司からのロジハラは、しばしば「正論の暴力」として現れます。論理を盾に、相手の感情や状況を切り捨て、反論を封じるコミュニケーションです。部下側がロジハラを受けたときに有効なのは、次の4つの視点です。
ロジハラの本質は「勝ち負けの構造」です。
議論に勝つことが目的化しているため、正面から反論すると火に油を注ぐことになります。重要なのは、勝負の土俵に乗らないこと。「確認させてください」「一度持ち帰って整理します」といった「時間をつくる言葉」が、状況を冷静に保つ助けになります。

