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ライフ #「現金とっぱらい」の現場で

「口座残高は209円ですよ。見ますか?」 就職氷河期世代の49歳男性が「月収11万円」でも生活保護を受けない理由

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49歳の男性
イベント系の日払い仕事は土日が現場になることが多い。しかし、来月、仕事があるかどうかはわからない(写真:筆者撮影)
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「もしゲームセンターの正社員になっていたら今でも勤めていたと思います。ただ、他の会社をわざわざ受けて正社員になろうとは思わなかったんです。店長のセクハラ事件、飲酒運転での事故などもあり、最初のゲームセンターを辞めました。26歳か27歳くらいのときに、新宿のゲームセンターで1年ぐらい働きましたが、そちらでも正社員にはなれませんでした」

戸田は、正社員という立場に他人が思う以上の重みを感じていた。

家電量販店、新聞拡張員、除染作業と流れるがまま

「人生で一度だけ契約社員になったことがあります」

ゲームセンターを辞めたあと、戸田は家電量販店のパソコン売り場で、インターネットのプロバイダー営業の契約社員として勤めた。

「いきなり店舗に1人だけで行かされました。最初だけ、契約獲得専門の応援部隊が入り、強引に契約を取っていったんですが、大量のクレームは残った僕に全部来る。店舗の副店長はぶち切れ、いくつかの店舗を回っている上司は全然助けてくれない。精神的に追い詰められて、3カ月くらいで辞めました」

昭和51年生まれの49歳。氷河期世代真っ只中の戸田には正社員の職歴がない。

「正社員になったことがないと、まともな職歴になりません。生活のために目の前の仕事をいろいろやりました」

家電量販店の次は、派遣会社に登録し、さまざまな仕事を転々とした。イベント会場の設営や受付、印刷所での作業、マンション管理人、警備員、新聞拡張員。どれも長く続かなかった。

「新聞の拡張員は、住む場所が必要だったため寮に入りました。寮費は4万円するんですが、営業は完全歩合制で1件3000円。1日に100件まわることもありましたが、月に5件しか取れなくて1万5000円。完全に赤字です」

自らも新聞拡張の仕事をする上司は見た目が暴力団風だったという。

「相手がドアを5センチ開けたら、そこに足を突っ込んで、玄関先で怒鳴るという、無茶苦茶な営業をしているようでした」

ここにいたらダメになると感じた戸田は思い切って辞めることを伝えた。

「話をして、辞めることはできましたが、辞めた月の家賃や借金などで10万円が必要でした。どうにもできなくて、母親に泣きついて、清算してもらいました」

しばらく派遣で食いつないで知人の家に居候していたが、数カ月経つと出ていってほしいと言われた。

住むところも金もない。

「追い詰められたので、知り合いのつてを頼り、35歳ぐらいで福島の除染作業に就くことになったのです」

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