1年ほど前からはタイミーにも登録をした。
「飲食系の仕事には入らないですが、タイミーもやっています。僕が選んでいるのは一般家庭の不用品を運び出す仕事です。4〜5時間やって5000円ぐらいですね。交通費が出ないので近場でないと行きません。こういう日払いの仕事を20代で経験するならいいですけど、もう49歳ですからね」
と年齢を気にする。そんな戸田に日払いの魅力について聞いてみた。
「やりたくなければ断れる。そこは自由っちゃ自由ですね。昔、腰をやっちゃってるので、若い頃から建築系の日払いはやったことがありません。あと満員電車が嫌いなんです。同じ現場に通う仕事もしたことがありますが、満員電車が嫌で辞めちゃいました。あとは、現場にむかつく人がいても、その日一日我慢すれば終わるのがいい点ですね」
正社員を目指しゲームセンターに10年勤務
戸田正和は、母の故郷である九州で生まれたが、すぐに引っ越し、東京近郊の神奈川県の街で育った。
「その街には、祖父が起こしたアルマイトの工場があったんです。父は典型的な2代目のバカ社長で、不倫もしていたし、ろくな思い出がありません。祖母と母も折り合いが悪くて、父も助けるわけでもなく、夫婦喧嘩も多かったです。僕が中学に上がるぐらいのころ、両親は離婚し、妹と一緒に母についていきました」
母親はふたりの子どもを育てるために、パート仕事だけでなく、水商売も掛け持ちした。
「母には、かなり苦労をかけました。僕も家にお金がないのはわかっていたので、高校は公立に行き、大学は諦めました。漫画、アニメ、ゲームが好きだったので、将来はゲーム制作者になりたいという夢はあり、いくつか会社も受けました。だけど、ゲームの専門学校に行く余裕はなく、近い仕事と思い17歳の高校生のとき、ゲームセンターのアルバイトを始めました」
その後、アルバイトの立場のままゲームセンターで10年近く働くことになる。
「ゲームセンターのバイトからがんばれば正社員になれるかもと思っていたんです。でも業界の景気が悪くなり、結局、正社員にはなれませんでした。時給は最初は700円で、途中で790円くらいになったと思います。1日6300円くらいで、月12万円くらいはもらっていました。それだけでは足りなくて、ほかにもコンビニの夜勤、レストランのウェイターなどを掛け持ちした時期もあります」
アルバイトという身分で年齢を重ねることに怖さはなかったのだろうか。

