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まるでアイドルの握手会「推し活にビール150本」に、太宰は「俺も撮れ」と絡み酒…文豪たちの"やらかし"巡る銀座散歩

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「バー・ルパン」
文豪たちの知られざる素顔を追い、銀座の街を歩く(写真:『酒場・下宿・路地をめぐる46人の「やらかしと逸話」 文豪てくてく散歩』より)
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その翌年に織田作之助が結核のために亡くなり、さらに翌年には太宰が亡くなります。自分が撮った二人が早くに死んでしまった事にショックを受けた林は、もうルパンでは写真を撮りたくないと思うようになりました。そこに「太宰さんと同じルパンの椅子で撮ってくださいよ」と林に頼む男が現れます。

田中英光という男で太宰治の弟子の一人でした。気がすすまない林は「縁起がわるいからかんべんしてほしい」と断りますが、田中英光は「じゃあ、ルパンでなくてもいいから、とにかく太宰さんのようにカウンターで飲んでるところを撮ってほしい」とききません。あまりにしつこいので新橋の烏森神社の近くのバーで撮影することに。撮影後、満足そうに「これでもういつ死んでもいいや」と言う田中英光は、それから間もなくして太宰の墓の前で睡眠薬アドルムを300錠と焼酎1升を飲んだ上、手首を切って自殺してしまうのでした。

三島由紀夫が「最後の晩餐」に選んだ店

銀座から数分歩いたところにある鶏料理屋「末げん」は、三島由紀夫が市ヶ谷で事件を起こす前日の夜に、最後の晩餐に選んだお店であります。「末げん」はもともとは三島由紀夫の父親が贔屓にしていたお店で、三島由紀夫が子供の頃から家族と通っていたお店でした。三島由紀夫は自決する4日前にも家族で「末げん」で食事をしています。それくらい三島由紀夫にとって「末げん」は特別な場所だったのかもしれません。三島が最後に味わった鶏鍋のコースは今でも注文することができます。

(写真:『酒場・下宿・路地をめぐる46人の「やらかしと逸話」 文豪てくてく散歩』より)
ランチメニューの地養鶏と合鴨をブレンドしたひき肉を使ったかま定食が名物(写真:『酒場・下宿・路地をめぐる46人の「やらかしと逸話」 文豪てくてく散歩』より)
『酒場・下宿・路地をめぐる46人の「やらかしと逸話」 文豪てくてく散歩』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

盾の会メンバー4人と共に食事をした三島由紀夫は、帰り際に女将に「またお越しくださいませ」と言われると「また来いって言われてもなあ。こんなに綺麗な女将がそう言うならあの世からでも来るか」と、なんとも言えない表情で答えたそうです。

女将は、その時は「何を言ってるのか?」と意味が分からなかったそうですが、翌日の報道を見て全てを理解したのでした。この時、三島由紀夫の対応をした女将は今でもご健在で、つい昨日のことのように当時のことを語ってくれます。

銀座という街には、老舗の飲食店だけでなく、当時のままの建築や歌碑、史跡が今も数多く点在しており、まるでタイムカプセルのように往時の面影を色濃く残してくれています。文豪たちが事件を起こした現場を巡りながら、彼らも利用したカフェで一服する、そんな週末の過ごし方はいかがでしょうか。いつもの街並みが、少し特別な景色に変わって見えるかもしれません。

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