それって、ホンマでっか?
フジテレビの「FOD」が今、好調な理由。
FOD事業執行責任者、野村氏に聞く

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私たちは今スマホに注力していますが、SNSやゲームなどと画面の取り合いをしています。その中で、限られた時間を使って利益を上げるために電子書籍をやっている側面が大きい。そして、それは何より有料会員の解約防止にもつながります。会員が解約する理由は、「もう見るものがないから」。ならば、見るものを増やせばいい。その意味でも、電子書籍はすでに15万冊の規模にあり、サービススタート2カ月で黒字化を実現しています。

――地上波放送との連動、ソーシャルとの連携についてはいかがでしょう。

野村 今、FODがやっていることは、地上波のリアルタイム視聴の促進という面もあります。これまでそうしたキャッチアップを中心にやってきましたが、これからは試写会的な役割も持たせていきたいと考えています。
FODにおけるソーシャルを活用した試みについては、いろいろやってみたいと思っていますが、例えば、オリジナル作品などをクラウドファンディングで制作することもアイデアの一つです。

動画配信は成長と淘汰の時代へ
早期に有料会員100万人を目指す

――ネットフリックスやHuluなどSVODサービスは敵、または味方でしょうか。

野村 今は、まだ市場が伸びていく段階なので、普及のほうが優先されます。その意味では、ネットフリックスさんやHuluさんには、すでに番組を一部提供しており、パートナーだと思っています。コンテンツ的な競合もほとんど発生していません。むろんネットフリックスさんとHuluさんは競合している部分もありますが、FODはそれぞれのパートナーとして、それらと合わせて契約できるような月額300円(税抜)から始められる配信サービスということに主眼を置いています。

――将来の市場予測と今後の目標について教えてください。

野村 動画配信の市場規模は現在約1500億円と言われており、2020年には2000億円規模になると言われています。ただ、業界全体としては伸びていくのですが、すでにプラットフォームの淘汰は始まっており、サッカーのワールドカップで言えば、グループリーグはすでに終盤で決勝トーナメントに進めるチームが決まり始めている状況にあります。私たちも今、決勝トーナメントに出場できるよう必死に戦っている状況です。

そのためにも、早期に有料会員数100万人を実現し、ドラマ×コミック、動画×コミックといった企画をメディアミックスでさらに進めていきたいと考えています。今後は、FNSのオンデマンドという意味でも、系列ほか幅広いコンテンツも配信していきたい。オリジナルコンテンツについても、短尺のみならず、連続ドラマやアニメも制作していきたい。FODの良さはフットワークが良いことです。これからも、どんどん新しいことに挑戦していきたいと思っています。