かつてのにぎわいを支えた大型店の一つ「シビコ」へ入る。4階から6階は閉鎖され、営業している店舗も限られている。開業当時、150を超える専門店が入居した建物の面影は薄い。空きテナントも多く、ネット上では「廃墟」とも評されている。取材で訪れた日も、人の姿はまばらだった。
さらに歩くと、街の変化がよりはっきり見えてきた。たつき百貨店跡には高層マンションが建ち、岡崎メルサ跡もマンションへ建て替わった。松坂屋跡はマンションとスーパーになり、かつて商業施設だった場所は、それぞれ別の役割を担っている。
巨大な商業集積地は姿を変え、康生地区は「買い物に訪れる街」から「暮らす街」へと変わっていた。
店は全盛期から半分以下に減った
この変化を、街の側はどう見ているのか。
康生地区で4代続く化粧品店「みどりや」の店主で、まちづくり会社の社長も務める松井洋一郎さんを訪ねた。
祖父の代には「レオ」の運営にも携わり、自身も商店主として、岡崎の盛衰を見続けてきた。
松井さんが郊外化を強く意識したのは、康生通西から約3キロ離れた場所に西友岡崎店が開業した頃だったという。
「ガタッと来たのは、25年から30年くらい前です」
その後もイオンモール岡崎、アピタ岡崎北店と郊外型の大型店が相次いで開業した。買い物客の流れは、少しずつ中心市街地から郊外へ移っていった。

