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ボカロに疎い大人も涙、涙、涙…1週間限定公開から100館超まで拡大、興行収入20億円突破『超かぐや姫!』が大反響のワケ

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メインビジュアル。仮想空間「ツクヨミ」のアバター姿の彩葉とかぐや(画像:『超かぐや姫!』公式HPより)
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彩葉(左)とかぐや(右)。かぐやの勢いにたじたじで、おねだりを断れない(画像:株式会社ツインエンジンプレスリリースより)

間口を広げた、3つの仕掛け

また、『超かぐや姫!』には有名・人気ボカロ曲も数多く登場する。ボカロやVtuber文化に馴染みのある人たちに親しみやすく、人気を呼んでいるが、筆者自身はボカロはほぼ通らず。初音ミクを知っているか、くらいの前提情報だった。それでも、涙が出るくらいストーリーに引き込まれた。その理由は、この作品の間口の広さにある。

1つ目は、誰もが知る『竹取物語』が前提にあったことだろう。幼い頃に絵本や教科書などで触れたことのある人が多く、共通した記憶がある。だからこそ、予備知識がなくとも、共通言語がある程度ある状態で見始められる。「月からの使者」「別れの演出」などに加えて、「こんな金髪のかぐや姫なんていないよ」といった彩葉のつぶやきの面白さも伝わりやすい。 

2つ目は、明るくハッピーな設計だ。監督は、『呪術廻戦 第1期』『チェンソーマン』『うる星やつら』など人気アニメのオープニング映像を手掛けてきた山下清悟。本作が初の長編監督作となる。

配信の強みは何度でも見返せることだととらえ、繰り返し見ても面白い作りを全編で徹底したと、ネットメディア「アニメ!アニメ!」のインタビューで語っている。実際、彩葉の苦労人ぶりや親との関係といった重さもあるが、それ以上に日常ドラマの明るさ、海水浴や花火大会の楽しさ、そして多くのネットユーザーが集う仮想空間〈ツクヨミ〉の映像美が目を引く。

仮想空間「ツクヨミ」でライブをするかぐや(画像:株式会社ツインエンジンプレスリリースより)

私の娘もYouTubeで偶然『超かぐや姫!』のミュージックビデオを見て、「かわいい」と思ったことから、Netflixで視聴し、自宅で何度見たかわからないほど繰り返し、「絶対に映画館で見たい」と懇願した。さながらかぐやのような姿だった。

宣伝プロデューサーの橋本実咲氏も、映画ナタリーのインタビューで、ネットに刺さるキーワードを扱いながら過激な描写がなく間口が広いこと、劇場公開後に想定以上の子ども連れの来場に気づいて子ども向けのコンテンツを増やしていったことを明かしている。

3つ目は「かぐや」の存在の魅力だ。彼女は、とにかくやりたいことはなんでもやりたい! 配信活動はもちろん、おいしい食べ物への探究心も強く、作中も魚を捌いて寿司を握るなどする姿も見せている。持って生まれた自由奔放なふるまいは、一見わがままとも映るが、天真爛漫さで配信活動においてファンを増やしていく。

ここで思い出すのは、『鬼滅の刃』が子どもにまで広がった2021年頃のことだ。臆病で逃げ回る善逸や、猪に育てられ本能のままに生きる伊之助の明るさが、物語の緊張をほどき、子どもを巻き込む要因になった。かぐやは、本作における善逸のような役割をしている面もある。

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