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羽生結弦きっかけで人気再燃「絶望の哲学者」シオランが残したヤバい名言

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(撮影:今井康一)
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全然眠れないままの状態でこれを身を以て体感させられる時間は、正に無間地獄と言うべきだ。ここにおいては生産的な活動なんてものはできるわけがない。悲観主義的な思索を深めるか、はたまたそんな不毛な思索から逃れるために、無駄も無駄すぎる作業に精をだすか……。

シオランは正にこの感覚の当事者だった。特に若い頃は不眠症に苦しみ、こんな無間地獄を日々味わわされていた。それはもう言葉にならないほどキツかったはずだ。夜明け前が一番暗いとはよく聞くけれど、そんな時間にこそ絶望や焦りみたいな負の感情は最高潮、いや最低潮にならざるを得ない。

だがシオランはその最低でこそ〝生まれてこなきゃよかった〟という、自身の思想における最高の核であろう反出生主義の閃きに見舞われたのだった。そうしてシオランは絶望の伝道師として、世界に名を轟かせることになる。最底辺からこそ、すべてが始まる。この呟きを読んでいると、そう思えてくる。そしてシオランの不敵な声もまた聞こえてくるんだ、この黒よりも暗い無間地獄に一回堕ちてこい! っていう声が。

「責任」という概念への痛烈な異議申し立て

(画像:『生まれるのも生きていくのもめんどくさい!超訳シオランの言葉』)

超訳
生まれるスペック聞いてなかったから、俺には一切責任なし!

逐語訳
責任という問題は、私たちが生まれる前に相談を受け、どんな人間になるかに同意していた場合にのみ意味をなす。

人間社会では、どんなことにも双方の同意が必要とされる。特に子供を産むって行為に直結するセックスにはそうだろう。だが産む/生まれるだけは完全に例外だ。それで勝手に生まれてこさせられて、しばらく経って成人したら、生まれてきた責任、この社会に生きる責任を果たせだと。はあ? とか思いませんか、正直。

済東鉄腸氏(写真:飛鳥新社)

そんな私たちのために、「生まれる前に〝産んでもいいですか?〟と相談があった上で、環境、性別、身長、体重、見た目、学力、運動能力、性格その他もろもろどんな感じになるかって双方合意したんじゃなきゃ、責任って概念はそもそも意味を成さないだろ……」と言ってくれているのがこの呟きだ。

こういう普通なら「当然でしょ?」でスルーされるところをスルーせず、わざわざその目を背けてきた真実を言葉によって強引に目を向けさせる、これがシオランの真骨頂。さらにこの勢いで、生まれることそのものに対して不都合な事実をバンバン晒すから、とうとう「反出生主義者」なんて畏れられることになった。

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