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話題のやせ薬マンジャロ「やめると戻る」からやめられない切実な事情 薬剤師が語る"世界で一番売れた薬"の功罪とは

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腹に注射する人
(写真: Matthew Fowler/GettyImages)
  • 山﨑 友樹 株式会社カケハシ プロダクトマーケティングマネジャー/薬剤師
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生理学的には中止後のリバウンドのリスクも知られている。「SURMOUNT-4」試験の事後解析では、36週間のチルゼパチド投与で10%以上の減量を達成した患者を継続群とプラセボ(中止)群に分けた。その結果、薬を中止したグループは1年以内に大半が25%以上の体重リバウンドを経験し、改善していた心代謝指標(健康パラメータ)も悪化に転じたと報告されている。

「やめると戻る」リバウンドの恐怖

実際に、目標を達成しても「やめると戻る」という不安から継続を希望される患者さんも少なくない。状態改善後は、自己判断での突然の中止を避け、医師と相談しながら薬の用量を徐々に減らすなどの方策をとるケースもある。

チルゼパチドは、本来糖尿病、肥満症、そして睡眠時無呼吸症候群という、人々の健康と命に関わる疾患を治療するために承認された医療用医薬品だ。その効果が高いからこそ、適切な管理のもとで使われることが望ましい。

医療の最前線はすでに次の時代へ向かっている。現在、注射のハードルを下げる経口(飲み薬)のGLP-1製剤(オルフォルグリプロン)の承認申請がアメリカ・日本・EUで進められており、次世代のパイプラインとして、GLP-1/GIP/グルカゴンの3つに作用する三重作用薬「レタトルチド」の第III相試験結果が『The Lancet』に報告されるなど、複数の新薬が登場間近だ。

新薬が次々と登場する時代だからこそ、インフルエンサーの言葉や広告に惑わされず、科学的根拠に基づいた「一次情報」を正しく理解する重要性がある。適切な知識は、過度な期待からも不必要な恐怖からも身を守る盾となる。実際の使用を考えるならば、目先の手軽さだけでなく、リスクを共有し適切な指導を行ってくれる信頼できる医療機関や調剤薬局と連携を組み、賢く安全に付き合っていく姿勢が不可欠である。

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