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あとから振り返ればわかる、ついに「世界のAI・半導体バブル崩壊がこの6月に始まった」と確信した理由

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韓国の株式市場では26日も一時「サーキットブレーカー」が発動。不安定な値動きが続く(写真:AP/アフロ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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一方、2008年のリーマンショック時とも比較して「実体経済は悪くなっていない、銀行システムが巻き込まれていない、金融システム不安の可能性がない」など、典型的なバブル、とりわけ不動産に端を発するバブルとの違いが強調されている。

「指摘は正しくても結論が間違っている」と言える「4つの理由」

これらの指摘の内容は正しいが、結論は間違いだ。まず、バブルに実体がある場合もある。実体のあるバブルとないバブルとがある。テックバブルはドットコムバブルとも呼ばれたように、会社名の語尾にドットコムを加えただけで株価が暴騰することを揶揄されたから、実体のないバブルとも捉えられた。17世紀のチューリップバブルも、18世紀の南海泡沫事件もそうだろう。

しかし、アメリカの19世紀の鉄道バブルも実体はあったが崩壊したし、1980年代の日本の不動産バブルで銀座はすばらしい土地には違いないが、バブルになり、崩壊した。日本の80年代の社会全体のバブルも、ソニー(当時)、トヨタ自動車が世界最高峰となり、企業も経済人も一流の経験を積んだ。価格は崩壊したが、ワイン、フランス料理、ジャズ(当時のレコードコレクションもだ)、クラシック、競馬、すべてにおいて、世界レベルのものを経験、獲得した。アメリカのテックバブルも、アマゾン・ドットコムの株価は崩壊したが復活したし、シリコンバレーの発展は広さと深さを得たし、人材の層が格段に厚くなり、現在エコシステムと呼ばれるものを確立した。

AIバブルもAI革命は本物だが、値付けは間違っている。その周辺はバブルの恩恵を受けているし、その半導体などの製品、その材料なども本物だが、この値付けは続かない。本物でも高すぎる価格は修正され、それも激しく上がっていれば激しく下がる。

バブル崩壊とはすべての企業の倒産を意味はしない。AIの中核企業であるアンソロピックとオープンAIのどちらかは確実に消え(高い可能性として両方とも、第三者の新しいライバルが出てくる。アンソロピックが急浮上したように)、スペースXも宇宙のチリとなるだろうが、AIサービスを提供するずるがしこい企業は残るだろう。パランティア・テクノロジーズも株価が大暴落するだけで、ビジネス自体は残る可能性はある。いわゆるSaaSも株価はいったん暴落しているが、普通の企業として、穏やかな株価水準として残っていくところが多いだろう。

第2に、超大企業もバブルになりうるし、その後、崩壊し、大打撃を受ける。テックバブルは、スタートアップ、新興企業など、どこの馬の骨ともわからない企業で、吹けば飛ぶような財務基盤、ビジネス基盤だった。「今回は超大企業だから違う」というが、19世紀のアメリカの鉄道バブルは、同国最大の企業群のバブル崩壊だったし、平成バブル崩壊時も、日本の有力銀行は崩壊か、悲惨なことになったし、何よりも、リーマンショックでは、アメリカの5大投資銀行のうち、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズがなくなり、メリル・リンチも吸収され、モルガン・スタンレーですら、一部を異国に奪われることになった。

第3に、金融システムが崩壊しない、銀行が無事であっても、バブルは崩壊する。バブル崩壊の事後の経済、社会への影響が異なるだけで、高すぎる資産価格は暴落し、バブルは崩壊するだけのことだ。だから、バブル崩壊後の長期的な影響が違うことは、バブル崩壊局面では関係ない。

第4に、実体経済が悪くなっていなくても、バブルは勝手に崩壊することがある。テックバブルがまさにそうだった。経済が悪くなったのは、テックバブル崩壊後、2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービル爆破事件からの世界同時多発テロによるもので、株式市場全体の下落ですら、エンロンショック以降だった。それらとは無関係に、テックバブルは勝手に、自律的に崩壊したのである。

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