さらに、「横になると出る咳」も代表的なサインの一つだと井上院長。
「昼間、起きているときは平気なのに、夜、布団に入って横になるとゴホンゴホンと咳が出る。これは心不全の症状として非常に代表的なものです」
なぜ、横になると咳が出るのか。
人間が水平に寝転がると、足の方に溜まっていた血液が一気に心臓へと戻ってくる。健康な心臓なら問題なくその血液を処理できるが、心機能が低下していると処理しきれず、行き場を失った水分が「肺」へとあふれ出す。つまり、肺にうっすらと水が溜まることで、むせて咳が出るのだ。
「心不全の疑いのある患者さんの場合、まず診察台に横になってもらい、足やお腹を触ってむくみを確認していきます。その間に患者さんが『胸が苦しい』と言い出したら、『やはり心不全の可能性が高い』と判断していくわけです」
「最悪の事態」は静かに忍び寄る
今回は心臓病と勘違いしやすい「フェイク症状」と、絶対に見逃してはいけない「本物の危険サイン」についてお伝えした。筆者のようにネット情報に踊らされて無用な心配をする必要はないが、だからといって自分の体を過信してもいけない。
もし、本物のサインを見逃し、「ただの疲れだろう」「年だから仕方ない」と放置してしまったら、私たちの体はどうなってしまうのか。
昨今、超高齢化社会の日本において、不整脈、狭心症などあらゆる心臓病が行き着く“最終形態”である「心不全」が爆発的に増加する事態が危惧されている。それが、「心不全パンデミック」だ。次回は、静かに迫り来る「心不全パンデミック」の脅威と、それを防ぐための、不整脈根本治療「カテーテルアブレーション」についてお届けする(後日、掲載します)。
「もしや心臓病?」突然"胸のバクバク"に襲われた52歳が「不整脈専門クリニック」のスピード診断で救われたリアル

