私が懸念しているのは、こういう一部の扇動がSNSを通じて広がることで、民意が歪められかねない点です。そして国会議員は、そういう風潮に逆らおうともしない。
例えば5月に発足した「国力研究会」ですが、なぜあんなものを今つくる必要があるのでしょうか。日本がこれほど危機にある状況で、国会議員は財政や金融、外交といった喫緊の課題をどう解決すべきかを考えるべきで、あのような大政翼賛会のようなものをつくっている暇はないはずです。
私が非常に懸念しているのは、少子化がこのまま続いて人口減少が止まらなくなると、財政が大変な危機を招いて、地方が崩壊してしまう点です。にもかかわらず、地方の財源である消費税が減税されようとしている。
ガソリンなども、本来なら政府が省エネを呼びかけ、使用を控えることで価格高騰を乗り切るべきなのに、15兆円もの補助金漬けにしてしまった。脱炭素社会への転換する機会を失ってしまいました。
日本の農業も、今は石油なくしては成立しません。これをどうにかしなければ、いずれ食料自給率は1桁まで落ちてしまうかもしれません。
オールドメディアは民主主義のために戦え
——何をどう変えていくべきなのでしょうか。
重要なのは、財源を考えずに財政ポピュリズムを続けるのは日本の危機であるということです。実情を知っている国会議員も、省庁自身もそれをもっと周知すべきです。
昔の官僚はもっと気骨があった。私の伯父である村上孝太郎は、大蔵省官房長や主計局長だったとき、時の佐藤栄作首相のところに行って財政硬直化キャンペーンを訴えました。しかし、今はどうですか。他人の意見を聞こうともせず、官僚たちも積極的に意見しようという意欲を喪失しているのではないですか。
私はこのような事態を改善する役割を担うのは、「オールドメディア」と言われる新聞やテレビなどだと思っています。彼らはその取材力で、エビデンスをきちんと把握し、さまざまなファクトチェックを行うことができます。オールドメディアは萎縮せず、偽情報は偽情報だとはっきり述べ、民主主義のために戦うべきです。
残念ながら、自民党で「おかしいことはおかしい」と声を上げるのは、岩屋さんや私など、ごく少数になってしまいました。それでも日本のために、わが国の将来のために声を上げ続けなければならないと考えています。


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