「小南さんと話す時、リスペクトが生まれるんです。自分にできないことをやってくれている」
小南英之さん(66)は、折尾駅のホームで13年、弁当を売り続けてきた。小南さんにとっての立ち売りは、子どもの頃から見てきた風景でもある。高校時代、部活の試合で博多へ向かうとき、ホームにはいつも立ち売りの姿があった。当時は「ちょっと恥ずかしいな」とも思っていたあの立ち売りで、今は自分が胸を張り、声を出す。
印象に残っているお客さんを尋ねると、ある高校生の話をしてくれた。ホームに置き忘れたという、マクドナルドのハンバーガーを一緒に探した。結局、見つからなかったが、その子は卒業後も、社会人になってからも、会いに来てくれるという。
「人との出会いと感謝、しかないですね。立ち売りの仕事は、元気をあげているように見えて、お客さんの笑顔から、こっちが元気をもらってるんですよ」
小南さんはにっこり笑った。
それを変えたら、お客様はどうなるの?
社長就任から半年、かしわめしの米の規格を元に戻し、本店をリニューアルするなどの施策を打ってきた山内社長。そこには「お客様を中心に考える」という経営哲学があった。店のスタッフから「これに困っている、変えてほしい」と声が上がると、こう問い返すという。
「それを変えたら、お客様はどうなるの?」
お客様が喜ぶならコストや手間がかかってもすぐにやる。自分たちの都合ならやらない。
「お客様を第一に考えれば、好循環が生まれるんです。また来てくれて、売り上げが上がって、利益は後からついてくる。現場の力に感謝して、お客様の要望に応える。資さんで創業者と一緒にやってきた、財産みたいなものなんです」

