一方、グレーゾーンのお子さんの中には、家の外では極限まで頑張って、特性が目立たないように過ごすことができる子がいます。しかし、相当なストレスを抱えるので、家では荒れてしまうわけです。
お母さんたちは心配になって、学校の先生に相談してみるのですが、そういうお子さんは、学校の先生から見るとごく普通なので、「学校では頑張っていて何の問題もないですよ」と言われてしまいます。
家では宿題が嫌で嫌で毎晩のようにかんしゃくを起こしているのに、学校の授業中はちゃんと座って先生の話を聞いている。
お母さんとしては、「じゃあ、どうすればいいの?」となってしまいますよね。
この子は発達障害なのか? どうなのか? 厳密に区別して診断することだけが大事か?と言われると、
診断に時間をかけるくらいなら、早く対応を開始した方がいい。今の困りごとを解決することの方が、大切だと思うからです。
つまり、発達障害の状態なのか、発達障害の傾向があるのか、厳密にはきれいに分けられない場合もありますし、複数の特性を併せ持つ場合もある。
私の経験上、グレーゾーンの子どものほうが、発達障害の子よりも、ずっと多いというのが実感です。
日々、お母さんたちの相談を受け、家での発達支援に取り組んでいる者の現場感覚では、「グレーゾーンの傾向がありそう」と感じる子どもは、決して少なくありません。
グレーゾーンのほうが、実はしんどいことも…
発達障害の診断がつくと、医療や行政のサポートを受けやすくなります。学校でも特別な配慮を受けやすくなるなど、診断がつくことのメリットは確かにありますね。一方で、「グレーゾーン」と言われる子どもたちは、困っていても気づいてもらえないことが多いのです。本当は脳の特性による行動なのに、
「また友達を叩いた」
「また授業中に立ち歩いている」
「また宿題をやってきていない」
「また一方的にしゃべり続けている」
「またちょっとしたことで不機嫌になっている」
「また時間を守らなかった」
「また約束を破った」
「また提出物を出さない」
「叱られたのは友達なのに、自分のことのように不安になっている」などなど……。

