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高校生「11人に1人」通信制の"見えない壁"、卒業後に課題か?学歴<人間力で人生拓く「地域を旅する大学」の正体

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自分の体より大きい魚と並ぶ学生
通信制高校を卒業後さとのば大学へ。現在3年生の長曽凜也さんは水産業について学ぶ(写真:長曽凜也さん提供)
  • 中曽根 陽子 教育ジャーナリスト/マザークエスト代表
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さとのば大学が提示する新しい学びの形は、通信制高校の卒業生だけでなく、現在は全日制の進学校などからも強い注目を集めています。近年、同校が全国の全日制高校と相次いで連携協定を結んでいることからも、その期待の高さがうかがえます。

「さとのば」での活動が生んだ自分への信頼

さとのば大学の最大の魅力は、一歩踏み出した学生たちが、自分の存在を丸ごと受け止めてくれる大人や地域と出会えることです。現場を支えるのは、各地域で実際にまちづくりやNPO、社会起業家として活躍する「受け入れコーディネーター(メンター)」たち。学生たちを温かく、時に厳しく見守ります。

同校の調査によると、学生が1年間で深く関わる地域の大人(自分の名前を認知し、一個人として丁寧に扱ってくれる大人)は平均60人以上にのぼります。

4年間で異なる地域を旅すれば、卒業する頃には日本中に約300人のロールモデルが存在し、30人以上の「いつでも未来のことを相談できる大人」がいる状態が作られることに。これこそが、他に類を見ない豊かな「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」です。

この環境の中で、劇的な変化を遂げた在学生の1人が、現在3年生の長曽凜也(ながそりんや)さんです。 凜也さんは通信制高校を卒業後、「周囲が行くから」と一旦は一般入試で大学進学の道を模索しました。しかし、自分にとっての意味を見いだせず、受験を辞める決断をします。そんな時、父親の紹介でさとのば大学を知り、学長である兼松佳宏氏の話を聞いて進学を決めました。

1年目は宮城県女川町で街づくり事業に関わったり、海洋ごみについて学ぶプロジェクトを立ち上げたり。2年目は岐阜県郡上市で自然農の米作りにのめり込み、3年目の今は「水産業について学びたい」と、島根県隠岐郡の島前(どうぜん)地域で、島留学の人たちと共に活動をしています。

女川の復興支援。街づくり事業としてレモネードを販売(左)。海洋ごみについて学ぶプログラム(右上)。ゴミからキーホルダーを作る(右下)(写真:長曽さん提供)
「田んぼに育ててもらった」と話す長曽凜也さん。自然農のお米作りにはまる(写真:長曽さん提供)

「中3の終わりに不登校になってから、社会に対してずっと身構えていました。でも、地域に入ってみると、人々は僕をラベリングせず、一人の人間として丁寧に扱ってくれました。いろいろな大人と知り合い、都会にいては得られないつながりを感じながら日常を送る中で、自分の人生を生きている充実感を得られるようになりました」

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