ブラジルは、いわゆるサッカー王国である。たしかに近年の凋落は著しいが、各ポジションに有力選手をそろえ、監督にカルロ・アンチェロッティを迎えた後、勝負に特化した組織を作り直している。
アルゼンチンには完敗を続け、ウルグアイにも勝てず、パラグアイやボリビアにも膝を屈し、チュニジアにも勝ち切れず、最近の失態は何も日本に敗れただけでない。しかし勝負を知り尽くしたイタリア人監督とブラジルのタレントが融合したら、優勝候補であるのも事実だ。
モロッコは、カタールW杯でベスト4に躍進したように進境著しい。北中米W杯ではアーリング・ハーランドやマルティン・ウーデゴールなどを擁して欧州予選でイタリアも寄せ付けなかったノルウェーに匹敵する"最強のダークホース"と言える。
GKボノ、右サイドバックのアシュラフ・ハキミは超ワールドクラスだし、世界に冠たるレアル・マドリードのブライム・ディアスは今やアフリカ最高のファンタジスタだろう。優勝経験のないチームとしては、最もセンセーションが期待されるチームだ。
日本は残念ながら「個の集合体」として、ブラジル、モロッコに劣っている。勝てない、とは言わないが、勝てる、とは少しも言い切れない。
「3位通過」ではダメな理由
そこでブラジル、モロッコを避けるため、グループFであえて3位と勝ち上がると、どうなるのか?
グループA、グループB、グループD、グループE、グループIのいずれかの1位のチームとの対戦になる。予想されるのはメキシコ、イタリア、アメリカ、ドイツ、フランスと言ったところか。
こちらの方が勝てる見込みはあるが、メキシコ、アメリカは開催国だし、ドイツはカタールW杯と同じ轍を踏むと思えず、フランスはブラジル、モロッコよりも形勢不利な相手だ。
そもそも3位は上位8チームしか勝ち上がれない。狙って3位になって、ポジティブな組み合わせも望めないだろう。
3位になった時点で汲々とした状況になっているはずだし(捨て身にはなれるが、勢いはないし、手ごたえも感じられていないだろう)戦う前から3位を考えるのはあべこべだ。それ故、ブラジル、モロッコに勝つ算段を今から整えないといけない。


