

地方の高校生がするべきこと
ではどうすればいいのか。地方の受験生に伝えたいのは、意識的に「比較対象」を取りに行くということです。
具体的には、3つあります。
1つ目は、全国規模の模試を、絶対に受けること。校内順位ではなく、全国順位を見る。河合塾の東大模試、駿台の東大実戦——ここに名前が載っている人たちが、自分の「比較対象」です。同じ会場に座っている受験生たちの顔を見るだけでも、「ああ、この人たちと自分は同じ土俵に立っているんだ」という実感が得られます。
2つ目は、東大生のSNSやYouTube、ブログを積極的に見ること。最近は東大生が等身大で日常を発信しているコンテンツが山ほどあります。勉強の悩み、恋愛の話、バイトの愚痴——「ああ、東大生って、案外こんな感じか」と知るだけで、神格化が解けます。テレビが切り取る「天才のキャラクター」ではなく、素の東大生を見てほしいのです。
3つ目は、オープンキャンパスや大学主催のイベントに、必ず一度は足を運ぶこと。夏休みの東大オープンキャンパスは、地方の高校生にとって最大のチャンスです。実際にキャンパスに立ち、現役東大生の説明を聞き、構内を歩く。「ここに通う自分」が想像できた瞬間、東大は「テレビの中の場所」から「行ける場所」に変わります。費用や時間の制約があっても、高校3年間で一度だけは、必ず実物を見にいってほしい。それだけで、受験へのリアリティがまったく変わります。
地方の子たちが東大を諦めるのは、決して才能の差ではありません。「自分が東大に届くかどうか」を測るための"ものさし"を、誰も持たせてくれなかった——ただそれだけのことなのです。ものさしさえあれば、地方の子たちは十分に戦えます。比較対象さえあれば、彼らは自分の現在地を知り、足りないものを補い、東大の門を叩くことができると僕は信じています。

