社会的価値と財務的リターンの両立を目指す「インパクト評価」に企業や投資家の関心が急速に高まってきている。リスクの管理に主眼を置く従来型のESG(環境・社会・企業統治)評価とは異なり、企業が社会や環境に与えるプラスの影響そのものを測り、価値として可視化しようとする点が特徴だ。金融庁や日本経済団体連合会(経団連)も指標・データのあり方の整備を進めており、開示の枠組みづくりも本格化しつつある。この連載では、その全体像を多角的に読み解いていく。
第4回は、SDGsインパクト評価で海外トップとなったユナイテッドヘルスと、国内トップの武田薬品工業を中心に評価結果について解説する。
【配信予定】
⑤外部性評価で日本勢トップは世界3位の富士通、インパクト投資効果を検証(7月10日)
2024年時点のグローバル企業ランキング
前回説明したように、インパクト評価の手法は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも極めて親和性が高い。RGSの評価項目はSDGsの各目標と整合しており、企業によるSDGsへの貢献度(インパクト評価)を共通尺度で計測できる。これにより、これまで把握しづらかった社会・環境への貢献を定量的に比較でき、企業活動の実態をより立体的に捉えられるようになった。
今回は2024年時点のグローバル企業と国内企業のSDGsへのインパクト評価ランキングをご紹介する。これを見ると、その傾向は明らかだ(下図参照)。上位20社のうち、12社を医薬品・バイオテクノロジー・ヘルスケア関連企業が占め、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」への貢献が企業のインパクト評価に強く反映されていることがわかる。
早速、具体的に見ていこう。トップのユナイテッドヘルス・グループは1015億ドル(約15兆円)という圧倒的なインパクトを創出し、売上高1ドル当たり0.254ドルの価値を社会に還元している。
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