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社会的価値と財務的リターンの両立を目指す「インパクト評価」に企業や投資家の関心が急速に高まってきている。リスクの管理に主眼を置く従来型のESG(環境・社会・企業統治)評価とは異なり、企業が社会や環境に与えるプラスの影響そのものを測り、価値として可視化しようとする点が特徴だ。金融庁や日本経済団体連合会(経団連)も指標・データのあり方の整備を進めており、開示の枠組みづくりも本格化しつつある。この連載では、その全体像を多角的に読み解いていく。
第3回は、オランダのコーニンクレッカ・フィリップス社(フィリップス)の例示モデルを示し、3軸での評価結果活用法について解説する。
【配信予定】
④SDGsインパクト評価は海外首位がユナイテッドヘルス、国内は武田薬品工業(7月9日)
⑤外部性評価で日本勢トップは世界3位の富士通、インパクト投資効果を検証(7月10日)
フィリップスの例示モデル
「環境に配慮している」「社会貢献に取り組む」といった抽象的な表現では、ステークホルダーの期待に応えることは難しい。企業が社会・環境にもたらす影響をいかに可視化し、価値創造に結びつけることが重要だ。
近年、サステナビリティが一般化し、ESGが普及する中、企業は具体的な数値を示して説明することが求められるようになってきている。そこで今回は、Richmond Global Sciences(RGS)が提唱する手法を用いた先進事例としてオランダのコーニンクレッカ・フィリップス社(フィリップス)の例示モデルを示し、同社の数字を見ながら具体的な実践事例をご紹介していく。
このモデルの特徴は企業のインパクトを「環境」「従業員」「顧客」の3軸で示し、外部データに基づき貨幣換算する点にある。例えば温室効果ガス(GHG)排出の評価では、国際インパクト価値評価財団(IFVI)のGHG排出係数を用いるなど、算出根拠の透明性を重視している。
実際に算出した結果を下図に示した。同社全体のトータルインパクトは70億7000万ドルのプラスとなった。
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