あるアパレル会社のコンサルティングに入った時、まさにこの問題が起きていました。商品は悪くない。立地もよい。それなのに、売り上げが伸びない。どうやって売り上げを伸ばすか。そのために僕が提案したのはたった1つの「質問」でした。
そのお店でのお客さんへの声かけが、まさに冒頭の質問だったからです。
Before「何かお探しですか?」
この質問、一見すると丁寧な接客に見えるし、悪くない感じがするかもしれません。でも「よい質問かどうか」という視点で見ると、「悪い質問」です。この質問には欠点があるのです。
それは、会話が終わるリスクがある質問だということです。
「何かお探しですか?」と聞かれると、人は心の中で無意識にこう考えます。
「買うつもりじゃないのに、面倒くさいな」
そうなるとこう答えてしまいます。
「大丈夫です」
大切なのは「自分のことを話せる質問」
これこそ、会話を終わらせる質問です。そこで、僕は質問をこう変えてもらうように提案しました。
After「そのバッグかわいいですね。どこで買われたんですか?」
この質問でお客さんとの間にコミュニケーションが生まれ始めたのです。
「このバッグ、実は気に入っていて……」
会話が自然に始まります。「買うための質問」には答えません。でも、「自分のことを話せる質問」には、思わず答えてしまうのです。この変更をした結果、売り上げが目に見えて上がりました。質問を変えただけでです。
ここで大切なのは、いきなり売ろうとするのではなく、まずは関係をつくることです。そのためには相手が話しやすいこと、話したいことを質問するのがよいのです(これを「視点を高める質問」と言います)。

