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アップル上級副社長"Joz"が明かすAI時代の新たな対立、EUと中国で新Siriが使えない理由

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ジョズウィアック氏
親日家としても知られるワールドワイドマーケティング担当上級副社長であるグレッグ“Joz”ジョズウィアック氏(写真:筆者撮影)
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しかし、欧州に高度なAI企業は多くなく、アップルとの折衝に打ち勝ったとしても、そこに割り込んでくるのはOpenAIやGoogleのGeminiなどだ。フランスのMistral AIや、ドイツのAleph Alphaがそこに割り込めるほど強力なプレイヤーだとは思えない。これでは欧州委員会の目的が米国企業の体力を削ることだけにあると言われても仕方ないだろう。

対して、中国については「対応に時間がかかる」としているが、アップルは対応しないとは言っていない。こちらは、おそらくAlibabaやBaiduのAIモデルを導入し、規制当局の要望に対応したものになると思われる。中国ではアップルの大切にする個人情報は国家に対して守られないことになるが、それでも14億人の市場を手放すことはできないということだ。

ジョズウィアック氏によると、EUに関しては法律の文言に従おうとしても、規制当局から「それは法律の精神ではない」とされ、ルールが後出しで解釈変更され、「非常にフラストレーションが溜まる」と語った。アップルがプライバシーとセキュリティを守るために提案した解決策はすべて無視され、規制に従っているかどうかを訪ねても明確な対応が得られない「一方的な会話」だったと言う。

対して、中国のAI規制は「周知の事実であり、予想していたこと」なので、対応には時間がかかるものの、ルールが明確なので対応可能だとした。

「競争政策」と「イノベーション」の両立は可能か

たしかに、国際競争力という点において、OSにしても、クラウドサービスにしても、クレジットカード決済にしても、すべてのステップでアメリカにお金が落ちる現状は、アメリカ以外にとって非常に不利な状況だ。そのうえ、AIのレイヤーまでアメリカ独占となっては、これから先も勝ち目がない。EUが『場外乱闘』に近い手段でもアメリカ企業の力を削ごうとするのはわからなくもない(日本のスマホ新法も、もともとそれを目的として作られたフシがある)。

WWDCの発表の中核は、新しいApple Intelligence。スマホ新法の着地点次第では日本では使えない可能性もあったこの機能が、日本で使えることになって本当に良かった(写真:筆者撮影)

しかし、現実にはEUのユーザーだけがイノベーションから孤立し、便利な機能を使えないという状態に陥っている。新しいSiri AI、Apple IntelligenceはiPhoneの使い方を大きく変えることになりそうだ。平等な競争も、オープンなアクセスも大切かもしれないが、ユーザーの不利益を人質に取るような対応はやめていただきたい。

現在ジョズウィアック氏は、スマホ新法の日本の対応に関して「妥協点を見つけて共通の道を歩むことができた」と語っており、幸いSiri AIとApple Intelligenceは比較的早い時期に提供されそうである。

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