FFGがかつて黒字化の目安に掲げた「500万口座、ローン残高1500億円」という数字について、永吉頭取は発表会後のグループインタビューでこう述べた。
「数年前は、みんなの銀行で収益を稼ぐ手段がローンぐらいしかなく、口座数との掛け算でしか計画を作れなかった。今は利用頻度や1人当たりの単価、API利用料、これからは預金と、複合的に収益を生む環境が整ってきた。ローン1本足打法で黒字化を目指すよりは、複合的な取引で稼ぐ。1つひとつは採算が合わなくても総合体で儲かる。銀行はもともとそういう構造だ」
そのうえで、今後の評価軸についてこう宣言した。
「APIエコノミーをちゃんと数字として見せられるようにすることに、かなり力を入れる。パートナーが増え、接続の数が増えたとき、どんな効果が波及的に表れるのか。この1年間、しっかりと追いかけて示していきたい」
口座数とローン残高という従来の物差しを事実上引っ込め、接続数と取引量で事業を測り直すという表明だ。
残された距離
もっとも、足元の数字は厳しいままだ。26年度の84億円という損失予想について、永吉頭取は「距離があるのはそのとおり。時間の経過だけで一気に縮まるものでもない」と認める。BaaSの収益は提携先の開発スピードに左右され、計画が半年単位でずれることも珍しくないという。
一方で、FFGの26年度計画には口座数230万、ローン残高510億円という目標も並ぶ。170万口座と357億円という現状から、1年で大幅な上積みを求める水準だ。84億円の損失予想と同じ年度にこの目標を置いた格好で、複合的な稼ぎ方への転換が数字に表れるかどうかが問われる。
それでも旗は下ろさない。「黒字化しなくていいわけではない。みんなの銀行単体で黒字化する旗は下ろしていないし、それをやり遂げるのが私のミッションだ」と頭取は言い切った。

