窪田:医学的な視点からも、失敗や試行錯誤の経験は脳の発達に不可欠です。あらかじめ用意された正解をなぞるだけでは、新しい神経回路は形成されにくい。自分で試行錯誤して「あ、こうすればいいんだ!」とひらめいた瞬間に、脳は大きく成長します。
西村:まさにそうですね。
窪田:西村先生がおっしゃる「待つ勇気」は、子どもの脳を育てるための最高の環境づくりだと言えますね。
家庭は「安心できる基地」であるべき
西村:もう一つ大切なのは、家庭を「安心できる基地」にすることです。
窪田:塾や学校では常に評価され、競争にさらされていますからね。
西村:だからこそ、家に帰ってきたときくらいは、無条件で受け入れてもらえる場所であってほしいんです。成績が下がったときに「なんでこんな点数なの!」と責めるのではなく、「今回は難しかったね。次はどうすればいいと思う?」と一緒に考える姿勢が大切です。
窪田:家庭での会話が多い子ほど伸びる、というお話が第1回にありましたが、それも「何を言っても否定されない」という安心感があるからこそですね。
西村:まさにそうです。安心感があってこそ、子どもは自分の言葉で考えを表現できるようになります。
窪田:睡眠や運動といった基本的な生活習慣も、安心感と大きく関わってきますね。睡眠不足や運動不足で身体がストレスを感じている状態では、心も不安定になります。
西村:身体と心はつながっていますからね。
窪田:「原始時代の生活リズム」を意識して、しっかり寝て、外で身体を動かす。そうした土台があって初めて、子どもは安心して学習に向かうことができます。テストの点数だけでなく、子どもの「目の輝き」や「体調」にもっと目を向けていただきたいですね。


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