自由診療クリニックで行われる「再生医療」で、死亡事故を含む健康被害が相次いでいる。
2025年8月、東京都中央区のクリニックで、自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴で投与する治療を受けた女性患者が、投与中に急変し、死亡した。厚生労働省は再生医療安全性確保法(安確法)に基づき、クリニックに治療の一時停止を命じた。細胞を培養した企業の埼玉県内の施設にも製造の一時停止を命じている。患者の死亡による緊急命令は、同法の施行以来初めてだった。
26年3月には、東京都中央区の別のクリニックで、同様の治療を受けた女性患者が死亡し、厚労省は再び、クリニックと京都市内の細胞加工施設に一時停止を命じる緊急命令を出した。韓国ソウル市内の施設でも細胞が製造されていたことから、この施設にも出荷停止を要請した。
これら2件もの死亡事故を含め、患者の感染症や体調不良、無届けの実施、計画外の治療の提供などで、24年以降だけでも少なくとも8件の行政処分が行われている。
本連載でも以前取り上げたように、再生医療をうたって培養上清やエクソソームを投与するクリニックも増えている。培養上清とは幹細胞を培養した後の培養液の上澄みのことで、成長因子などのさまざまなタンパク質やエクソソーム(細胞から放出される、細胞外小胞の一種)などが含まれる。
細胞そのものを投与するわけではないため安確法の対象外だが、こちらでも健康被害が起きており、自由診療における「再生医療」の課題は山積みだ。
「トラブルの実態がブラックボックス化している」
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