アップルは2年前、AIに必要とされる賢さの見積もりを誤った。だが同時に、どのAI関連企業も「AIの需要と必要な賢さ」については正確に見積もれていない。AIデータセンターに対して猛烈な投資が続いているのは、必要とされるAIの賢さが拡大を続けているためであり、AIの利用コストが上がり続けているのも、投資を回収するためでもある。
結局問題は、「そこまで高いコストを一般の消費者が支払えるのか」ということであり、「高いコストを支払ったのに見合う結果を得られるのか」という点なのだ。
「多くの機能が無料」であることがアップルの強みになる可能性
Apple Intelligenceは、多くの部分がアップル製品の中で処理をする。また、連携するクラウドである「Private Cloud Compute」を使う場合にも、多くの場合には消費者に対価を求めない。製品と一体になった価値、と考えられているためだ。
ということは、AIサービスに利用料を支払っている人以外も、トレンドとなっているエージェンティックAIの価値を活用できるということでもある。
同じようなことはGoogleのGeminiにも言える。コストが違う以上、ハイエンドのAIと全く同じ、というわけにはいかないものの、多くの人にとっては重要な観点と言える。
ただ、Apple Intelligenceも「完全無料」ではなくなった。より賢い処理・よりクオリティの高い画像生成を実現する目的で、アップル・Google・NVIDIAの3社で共同開発したサーバーも併用することになったためだ。特に画像生成では、1日に生成できる画像の量に制限が加えられる可能性が高い。有料のネットサービスである「iCloud+」に加入すると制限の緩和が行われるということなのだが、1日の制限がどのくらいで、iCloud+でどれだけ緩和されるかは未公開である。
アップルといえど、AIのコスト問題を無視できない。効率的な運営のためにGoogleと組んだ側面もある。
とはいえ、すべてが有料というわけではなく、ほとんどの面で「プライバシーを保ちつつ追加コストなし」であるのは大きなことだ。「初めて試すエージェンティックAI」がApple Intelligence、という人も多くなるのではないだろうか。
もちろんそのためには、第3世代Apple Intelligenceが十分に実用的である必要がある。2年前と違い「今度は有用」であるかは、実際に試してみるまでわからない。
