近所に仮住まいを始めたのは2023年の11月。暮らしへの負担をできる限り抑えるため、なるべく早く住める状態に持っていく必要があった。「DIYは過酷な部分もありましたね。寒い時期だったし、重い作業もあったし」とマミさん。しかし、セイヤさんはこう続けた。「参加してくれたみんなには感謝しかないけど、お礼を言ったら、『いや、こっちこそありがとうだよ』って言ってもらえたんです」
快く手を貸した人たちは、この場所と夫妻の魅力に引き寄せられ、自らも楽しんでいたのだろう。
リノベーションで想定外の変化も受け入れるゆとりが生まれた
リノベーションを終えて暮らし始めると、変化は予想を超えて広がっていった。マミさんは言う。
「建物の古さからくる小さなストレスが消え、自分の好きな住みやすい空間になったら、想像力が広がって新しいアイデアがたくさん浮かぶようになったんです。自分でもびっくりして」
思春期の長男は、ラグビーの部活に追われる毎日の中でも、家で手早く料理をするようになったという。幼いころから好きだった料理へのモチベーションが、リノベーションを機にまた呼び起こされたようだ。もともと仲良しの家族だが、居心地よさがバージョンアップされたリビングで一緒に過ごす時間はさらに長くなり、友達もより一層頻繁にやってくるようになった。
そして取材の日の午後から、マミさんのお母さんとの同居が決まっていた。リノベーション前には想定もしていなかった出来事だが、「リノベーションが完了していたことで、自然に受け入れられた部分があると思います」とセイヤさんは言う。家が整っていることは、家族の変化を柔軟に受け止めるゆとりになっている。
