東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #イランショック 国際秩序の激動

誰もが待ち望む〈中東の停戦〉で戦闘が終わるわけではない…誰がための停戦、実現した指導者はヒーローなのか?

7分で読める 会員登録で読める
停戦が停戦にならない原因に2人の食い違い(写真:AP/アフロ)
*2026年6月12日6:00まで無料の会員登録で全文をお読みいただけます。それ以降は有料会員限定となります。

INDEX

連日のように中東やウクライナでミサイルやドローン攻撃で建物が破壊され、多くの人々が犠牲になる映像を見ていると、誰しもが一刻も早い停戦の実現を望むだろう。ところが現実はまったくそうはならない。

イラン戦争をめぐってはアメリカのトランプ大統領が繰り返し「停戦は間近だ」とSNSで発信するが、イランとの交渉は一向にまとまらない。イスラエルは停戦合意を無視してレバノン南部に拠点を置くヒズボラとの戦闘を続けている。7万人以上の市民の犠牲が出たガザ戦争は、昨年10月にアメリカの提案で停戦となったはずだが、やはりイスラエルの攻撃はやまず、100万人余りが今も避難生活を続けている。

停戦=戦闘停止ではない?

だれもが「停戦」は戦闘行為の中止だと思っているが、中東で続く複数の戦争は停戦と戦闘が同時進行している。その最大の原因のひとつは、戦闘行為をやめたいトランプ大統領と、とにかく戦闘を続けたいイスラエルのネタニヤフ首相との根本的な違いにある。

イランとの停戦協議が続く6月初め、記者に停戦の意味を聞かれたトランプ大統領は「中東では停戦といっても完全な戦闘停止を意味しない。他の地域とは違って、中東では低強度の戦闘が続くのが普通だ」などと述べた。

つまり停戦は戦闘中止を意味しないというのである。例によって常識をひっくり返すような発言だが、中東の現実はトランプ大統領の言うとおりとなっている。

イランとの停戦協議を続けるアメリカが自衛を理由にイランを繰り返し攻撃し、イランはその報復だとして湾岸諸国やイスラエルを攻撃する。するとイスラエルがイランを攻撃する。こんな状況で話が進むわけがない。

イスラエルのヒズボラ攻撃が停戦協議をぶち壊す

それでもアメリカとイランは停戦協議を続けている。ところが協議がヤマ場にさしかかるとイスラエルがヒズボラに激しい攻撃を繰り返す。ヒズボラは親イランの武装組織であり、イランはイスラエルがヒズボラに対する攻撃をやめることも停戦の条件としている。イスラエルがヒズボラを攻撃すれば、当然、イランは反発し、アメリカに対して停戦はできないと主張する。イスラエルにとっては思惑どおりの展開となる。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象