金利復活でも手数料ビジネス追求
――「金利ある世界」では、国内のバランスシートを拡大している銀行ほど優位な状況です。バランスシートの拡大ではなく、信託銀行の強みである手数料ビジネスで成長を目指す戦略に変わりはありませんか。
2025年度決算では30年度の財務目標を5年前倒しで達成し、着実な顧客基盤の拡充と成長を実現できた。しかし残念ながら、金利が正常化する中でバランスシートのサイズが意識され、3メガバンクと比べると当社の株価はそれほどパフォーマンスが良くない。
銀行界全体を見ると、30年前の預金割合は定期預金7割、流動性預金3割だった。それが長年の超低金利環境の下で、当社以外の多くの銀行では待機資金が流動性預金に溜まり、現在は流動性預金7割、定期預金3割ほどになっている。この資金が再び定期預金に移るのかという問題があり、移ったとしても定期預金の金利が高いため利ザヤを圧迫することになる。
一方、当社のバランスシートはこうした市中銀行とは異なり、現在も定期預金が7割程度を占め、30年前とあまり変わっていない。今後も定期預金による調達がメインで、バランスシート構成はさほど変わらないと想定している。銀行全体として定期預金へのシフトが起きないのならば、バランスシートの拡大余地は限定的だ。
インフレ時代においては、われわれが預金を集めてバランスシートを拡大するよりも、資産価値やアセット全体の時価に対して一定の手数料をいただくビジネスのほうが、圧倒的に成長余地が大きい。
逆に、NTTドコモを協業パートナーとして迎えた住信SBIネット銀行(8月からドコモSMTBネット銀行に商号変更)では、年間200万口座を獲得していく計画だ。流動性預金を含めた新たな預金吸収という意味では、こちらのネットチャネルに期待している。

――バランスシートを拡大せずに資本効率を上げるには、より収益性の高いリスク資産の比重を高める必要があります。
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