転出超過が課題となっている福山市を、若者が帰ってきたくなるまちに変えていくカギのひとつは、間違いなくこの場所だと感じている。
「廃墟百貨店再生」の先進モデルに
2025年度、福山市はエフピコRiMの2階を運営する事業者の公募を始めた。そして2026年3月6日、事業者に決定したのは、またしても福山電業だ。2028年4月のオープンを目指している。
増え続けている需要に対応して貸しオフィスを増やすほか、大学や高校のサテライトキャンパスを入れる計画を進めていると島田さんは言う。
「単なる貸しオフィスにとどまらず、オフィスの人たちが週末にイベントへ参加したり、ときには出店したり、ここで勉強会を開いたりする流れを作ろうと思っています。さらに、みんなで採用活動や後輩の育て方を考えたり、1階を社員食堂のように使ったり、学生と一緒に新メニューを開発したりしたい。学生たちはここで勉強もバイトもできます。そうして交流が生まれる先行事例を作っていきたいんです」(島田さん)
10年間、2階を運営することが決定したため、1階部分についても、2038年までの契約延長となる可能性が高い。
エフピコRiMの再生プランの検討からずっとこの事業に寄り添ってきた、福山市立大学都市経営学部の渡邉一成教授は、iti SETOUCHIの取り組みを次のように評価する。
「地方都市の老朽化した大規模施設(百貨店)を、地元資本によりリノベーションすることでエリア価値を向上させる公民連携の先進事例といえます。全国に同様の建物は多くあります。このビジネスモデルが広がる可能性は高いでしょう。福山電業さんへの評価については、2階もお任せすることになった事実がすべてを語っています」
