東洋経済オンラインとは
ビジネス

「駐車場で月800万」「オフィスは満室」…電気屋が"廃墟百貨店"を復活へ導いた「稼がない」カラクリの全貌

14分で読める
週末のイベント風景
多くの人でにぎわう週末のイベント風景(写真:筆者撮影)
2/9 PAGES
3/9 PAGES
4/9 PAGES
5/9 PAGES

オフィスの入居者には、コワーキングスペースを無料で利用できる特典もある。仕事に行き詰まったときや気分転換をしたいときにコワーキングスペースに行けば、他の人と話ができる。開催されるイベントに参加すれば、人脈が広がる。異業種交流や壁打ちが自然に発生する仕組みがあるのだ。

こうしてオフィス需要がさらに高まり、空き区画の問い合わせが絶えない。コワーキングスペースの月額会員数やドロップインの利用者数は、どちらも毎年およそ1.5倍のペースで増加中だ。

イベントは年78回→447回に激増

マルシェ、ステージ、講演会など、開催されるイベントはバラエティに富む(写真:iti SETOUCHI)

2022年度は半期で78回だったイベント開催数は、2024年度には447回に激増した。

「iti SETOUCHI 内のスペースをどう使うかをまず自分たちで試すため、無償で相談に乗りながら、共催の形でいくつものイベントを開催しました」(谷口さん)

開業直後は、企画内容、資金面、デザイン、情報発信などに、iti SETOUCHI のスタッフが8割程度関わってイベントを開催していた。しかし回を重ねるうちに、利用者が経験を積み、運営ノウハウを身に付けていく。

次第にスタッフが手伝う割合は減り、現在開催されるイベントの7割以上は、ほぼ手を貸す必要がないという。さらに、経験を積んだ利用者が、次にイベントを開こうとする人の相談に乗る循環も生まれた。年間400回ほどのイベントを開催できるのは、このように自律的な流れが軌道に乗ってきたからだ。

イベントでは可動式の屋台が活躍する。置く場所や向きを自由に変えられるため、イメージにあわせた使い方ができる(写真:筆者撮影)

週末には複数のイベントが同時開催されることも多い。

「あるイベントに来た人が別のイベントにも足を運んだり、イベントの出店者同士で行き来したりと、この場所を接点として出会いがどんどん広がっています」(谷口さん)

出会いを広げるのは、イベントだけではない。iti SETOUCHIのスタッフは全員「コミュニティマネージャー」の肩書を持っている。情報のハブとして施設内外の店や人、企業をつなぐ、いわば「まちのインフォメーションセンター」の役割を担うのだ。

イベントが開催されているすぐそばで、コワーキングスペースの利用者がいつも通りに自分の仕事をしている。思いもよらなかった出会いが常にある(写真:筆者撮影)
6/9 PAGES
7/9 PAGES
8/9 PAGES
9/9 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象