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「駐車場で月800万」「オフィスは満室」…電気屋が"廃墟百貨店"を復活へ導いた「稼がない」カラクリの全貌

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週末のイベント風景
多くの人でにぎわう週末のイベント風景(写真:筆者撮影)
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電気工事を本業とする福山電業にとって、iti SETOUCHIは本業ではない。だからこそ、商業施設単体での利益を追うのではなく、本業を含めた会社全体への還元で採算を考えているのだ。赤字1000万円は、テレビCMや新聞広告を打つよりもはるかに効率のよい"広告費"になる――そんな読みがあった。

実際、iti SETOUCHIを運営し始めてから、福山電業の電気工事の受注は増え、学生からの認知度も高まって採用面でもプラスに働いている。施設運営が本業の営業装置として機能しているのだ。

とはいえ、「広告費として許容する赤字」にも限度がある。年1000万円に収めるためには、確実な収入源を確保する必要があった。

現在、iti SETOUCHIの主な収入源は、金額の順に、「駐車場」「テナント収入(オフィス中心)」「コワーキングスペース月額会費」「イベントスペース利用料」の4つ。これらが組み合わさって、損益分岐点のぎりぎり上を走り続けている。

駐車場で月800万円。賃料を賄うカラクリ

iti SETOUCHI に隣接する第1駐車場(写真:筆者撮影)

稼ぎ頭は駐車場だ。iti SETOUCHIには、合わせて約1200台を収容できる3つの駐車場がある。

新幹線が停まる福山駅に近い駐車場は、施設の利用者以外にもニーズがあると島田さんは見込んでいた。参考にしたのは、同じように商業施設を再生し、駐車場を収入源にしていた岩手県花巻市のマルカンビルだ。

第2駐車場(写真:筆者撮影)

福山市が運営していたときは、駐車場は22時で閉鎖されていた。島田さんはまず、この時間の区切りをなくし、24時間出し入れ可能にした。さらに、駅前で最も安い料金に設定。近隣のビジネスホテルやマンションと提携契約を結び、回数券や1カ月更新の各種パス券も用意した。

狙いは当たった。自家用車で福山駅周辺に通勤する人たちも、この駐車場に注目するようになったのだ。夜遅くまで仕事をするときでも駐車場の時間を気にする必要がなく、しかも安い。新幹線で出張する人にとっても、最寄り駐車場として使い勝手がいい。

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