まったくもってその通りなのですが、少し違うのは、筆者は何年もの間、起業する準備を行っており、起業後の状況が見えていたことです。うまくいった場合の想定だけではなく、最悪の想定についても話をしました。もっと言うと、妻用に起業プレゼン資料を作成し、家庭内提案を行いました。結果として了承を得て、今に至るわけです。
法人営業においても、相手の承諾を得るために提案は必要ですし、そこには具体的な数字やリスクもしっかり書かれていてこそ決裁がおります。それは家庭内であっても当然です。まして起業は転職とは大違いで、人生最大のチャレンジになります。
お金に関する心配もありましたが、もう1つ懸念されたことは「競業避止に該当しないか?」という話でした。要は、それまで勤めていた船井総研を辞めて同様のコンサルティングを行い、「訴えられたりしないのか?」ということでした。
ここも資料を作り、説明を行いました。筆者は法律に関する部分も、コンサルでよく関わっていたこともあり、国内の「競業避止」に関する判例なども交えて説明しました。適切に独立をすれば訴えられることはないと説明したうえで、起業への同意を得た次第です。
とは言え、競業避止には十分な注意が必要です。もし、読者の皆さまが、現在の会社から競業避止に関する合意を労使で締結し、その合意の見返りに金銭を受け取っていた場合、その契約を破る見返りに、その金銭を返すなどの対応が必要となる可能性があります。また、取締役などに就任している場合は背任行為となる可能性もあります。
当たり前の話ですが、在籍中に並行して法人を設立して現在の顧客に対し営業行為を行うこと、法人を設立する見込みとして営業を行うことなどは問題となります。後任担当者への引継ぎなども拒否することはできません。
しかし、大原則として「職業選択の自由」は存在し、どこでどんなビジネスを展開しようと自由です。また、世の中の会社がどこの会社と契約をするかも自由です。退職後に揉めないためにも、現在、会社員の方は、社内の「競業避止」に関する取り決めやルールをこっそり調査することをお勧めします。
感動するほど大きな「リターン」
筆者は現在、起業して10年目に入っていますが、サラリーマン時代とはすべてが変わりました。「もう1回、サラリーマンに戻れ」と言われても困るほど、筆者にとって起業はベストであったといえます。
「起業」と言っても様々です。多くの場合、相当な開業資金が必要となります。その金額を借入することで賄うケースもあることでしょう。開業したものの、想定外の結果となった場合、投資したイニシャルコストは、そのまま負債となります。

