もちろん、こうした仕事は1人でできるものではなく、小原さん以外にも多くのスタッフが関わって成しえた仕事だろう。
「裏方」というと地味なイメージかもしれないが、裏方がしっかりと働くことで、はじめて表舞台に立つ人が輝くことができる。非常に重要な仕事である。
引退後に意外な活躍を見せた「イケメン俳優」
小原さんの件が話題になったとき、筆者はある“イケメン俳優”のことを思い出した。
彼の名は、小橋賢児さん。小橋さんは、子役として8歳で俳優デビューし、01年のNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』では、主役級の役に抜擢され、人気を博した。
ところが、小橋さんは27歳で突然芸能界を引退し、表舞台から姿を消した。それ以降は目立った活躍はなかったようだが、イベント事業で再び頭角をあらわしていく。
21年に実施された「東京2020パラリンピック」の閉会式の総合演出を、小橋さんが担当していたことが判明して、大きな話題を集めた。その後、「EXPO 2025 大阪・関西万博」の催事企画プロデューサーを務めたことで、再び話題となった。
“自分で演じる”ことから“プロデュースする”ことへのキャリアチェンジだが、「人をもてなす」「楽しませる」という精神は通底している。
小原さんと小橋さんの例どちらを見ても、ある領域で第一線の仕事をしていれば、その経験とノウハウをうまくシフトさせていくことで、新たな境地を切り開くことが可能になる。
2人のキャリアプロセスはかなり異なっているが、最終的には、めぐりめぐって出発点に近いところに戻ってくるという点は共通しているようだ。
積極的に人と関わり、自ら学びつつ、他者との協力関係を築くことで、それを成しえるのだということを、2人の「その後」のキャリアを見ていて実感させられた。
