社内からは「機能を訴求する文言が書かれていない」と不評を買ったが、いざ蓋を開けると販売数はたちまち伸び、一気に市場を牽引する商品となった。
「営業サイドからは、『もっとカラフルに、もっとかわいくしてくれ』という声が根強くあるんですけどね。でも、ブランドマネジメントの立場からすると、それはアイデンティティの希釈・毀損になりかねない。このせめぎ合いは、今も続いています」(亀井さん談)
「色彩のみからなる商標」国内第1号として正式に登録
その後、2017年(平成29年)に「MONO」カラーは「色彩のみからなる商標」の国内第1号として、正式に登録された(登録第5930334号)。2026年6月時点で登録件数が8社12件と少ないのは、「色彩のみで識別できる」という著名性の立証が必要で、審査のハードルが高いからだ。
「もし青・白・黒以外に、その他の色や柄でもロゴデザインを展開していたら、商標登録はされなかったかもしれません」と亀井さんは語る。修正テープ・テープのりの開発に続き、ここでも先見の明を感じさせられるのは、きっと筆者だけではないだろう。
社内で様々な議論が起きながらも、ブランドの再定義への道を突き進んだ「MONO」。後編では、VI活用で成功を収めたシャープペン市場での逆転劇と、60年間の変革を支えてきたものの正体を追う。
