新年度から2カ月が経過した6月は、まさに適応の過程にある時期。そんなときに調子を崩したからといって、上司が「向いていない」と決めつけるのはマズい。本人ならまだしも。「まだ適応の途中にある」だけかもしれないからだ。
適性と適応を混同した上司は、「本人の資質の問題」と片付けてしまうだろう。つまり、職場環境や、上司の関わり方に焦点が合わなくなる。すると、いつまで経っても見直しがされず、その結果、部下の状態はさらに悪化することになる。本人が適応しようとしているプロセスを、上司が見誤ってしまうのだ。
6月病を理解できない上司、2つ目の特徴は、評価や賞与に対する部下の不満を軽視することだ。
「私が若いころは、評価なんて気にしなかった」
「部下も、何も感じていないだろう」
こう信じている上司は多い。しかし、マイナビの調査では直近の評価に「納得感がない」と答えた正社員が51.6%と、過半数に達している。
深刻なフィードバックの実態
さらに深刻なのが、フィードバックの実態だ。
「フィードバックも結果の納得感がない」
と答えた層の、実に68.4%が「フィードバックも結果の共有もない」と回答している。評価制度が公正かどうかではない。部下が「なぜこの評価なのか」を理解できているかどうかが問題なのだ。
納得感があると答えた層では「丁寧なフィードバックがある」と答えた割合が39.5%と高く、納得感との相関が明確に出ている。一方、「フィードバック実施は重要視されておらず、ルール化はされず個人の裁量に任されている」と答えた企業が14.0%あった。上司任せのフィードバックが、6月病を深刻化させている一因になっている可能性は十分にある。
6月は賞与の結果が示されるタイミングと重なる。そこで「なぜこの金額なのか」「何を評価され、何が足りなかったのか」の説明がなければ、部下は不満とモヤモヤを抱えたまま夏を迎える。評価結果の共有だけでは不十分なのだ。
