特に、毎日決まった役割を果たすことは、「自分は家庭の一員として必要とされている」という自己肯定感にもつながるのです。
興味深いのは、親が「完璧さ」よりも「参加すること」を重視している点です。
最初はうまくできなくても、料理を手伝わせたり、洗濯を任せたりします。多少は失敗しても、それを学びの機会と考える姿勢が一般的です。日本のように「親がやったほうが早い」と考えるのではなく、「今は時間がかかっても将来のため」という発想が強いのです。
さらに、共働き家庭が多いアメリカでは、家事分担は現実的な必要もあります。親だけですべてを担うのではなく、「家族全員で家庭を回す」という意識があるのです。
そのため、思春期の子どもにも明確な担当が与えられていて、「毎週火曜はゴミ出し」「週末は夕食を1回つくる」といった具体的なルールが設定されることも珍しくありません。
お金の使い方をどう学ばせるか
アメリカでは、子どもに対する「お金の使い方」の教育は、学校だけでなく家庭の中でも非常に重視されています。単に節約を教えるのではなく、自分で判断し、責任を持ってお金を管理する力を育てることが目的です。特に思春期には、将来の自立を見据えて、かなり実践的な金銭教育が行われます。
まず重要なのが、「お金の管理」です。
子どもがお金をどうやって稼ぐかですが、中学生くらいまでは「allowance(アローワンス)」と呼ばれるお小遣い制度のある場合があります。多くの家庭では、毎週あるいは毎月、一定額を子どもに渡します。
ただし、その使い方にはルールがあります。たとえば「自分で使う」「貯める」「人のために使う」の3つに分けて管理させる方法です。お金をもらったら、すべてをすぐに使うのではなく、「一部は将来のために貯金し、一部は寄付やプレゼントなど他者のために使う」という考え方です。これにより、消費だけでなく、計画性や社会性も学ばせようとしています。
