また、欲しいものがある場合には、すぐに親が買い与えるのではなく、「自分で貯める」経験を重視します。
たとえば、新しいゲーム機やブランドのスニーカーが欲しい場合、何週間かお小遣いを貯めて購入させるのです。この過程で、「本当に必要か」「待つ価値があるか」を考える習慣が身につきます。衝動買いを防ぐ練習とも言えます。
思春期に教える「予算管理」
思春期になると、より実践的な方法として「予算管理(budgeting)」を教える家庭も増えます。
たとえば、衣服代を月ごとに一定額だけ渡し、その範囲内で、自分で選ばせるという方法です。高価なブランド品を買えば、ほかのものが買えなくなるため、優先順位を考える力が育ちます。親がすべて決めるのではなく、「限られたお金の中でどう選ぶか」を経験させるのです。
さらに、高校生になるとアルバイトを始める子どもも多く、自分で稼いだお金を管理する経験が加わります。レストラン、スーパーマーケット、ベビーシッター、家庭教師など、地域の仕事を通じて、「お金を得るには時間と努力が必要だ」という実感を持つようになります。
親はここで、税金や銀行口座、デビットカードの使い方なども教えます。アメリカでは、親子で銀行口座を共有することができるので、共有口座をつくって、スマートフォンのアプリで残高管理を学ばせる例も増えています。
このように、アメリカの金銭教育は、「お金を与える」ことではなく、「お金をどう扱うかを学ばせる」ことに重点があります。
使う・貯める・稼ぐ・分かち合うという一連の経験を通じて、子どもたちは経済的な自立だけでなく、責任感や判断力も身につけていくのです。

