iPhoneの「仕様」を細かく観察すると「耐水(water resistant)」とは書いてあるが、「防水(waterproof)」とは書いていない。正確に言うと、「防沫性能、耐水性能、防塵性能」は「IEC規格60529に基づくIP68等級(最大水深6mで最大30分間)」となっている。このIP68等級という記号からiPhoneの耐水性能を読み取ることができるようになっている。これについては後ほど詳しく解説しよう。
水を介して電気がショート(短絡)して壊れる
まず、なぜ、電子機器は水に濡れると壊れるのかについて説明しよう。
一般的な水(純水ではなく、ミネラルや不純物が入った水)が、電源が入っている電子回路に触れると、ショート(回路と回路の間が短絡して電気が通ること)が起こる。ここで回路が焼けたりして壊れてしまう。また、電子基板や端子などの金属部分が腐食することもある。リチウムバッテリーがつながっていれば、こちらも多くの場合壊れたり、膨らんだりしてしまう。
ほんのわずかな水が回路に触れただけでも、回路が永遠に破壊されてしまうのだ。
しかし、我々の生活は水分に満ちている。汗もかくし、雨も降る。もしかしたら、コーヒーをこぼしてしまうかもしれない。日常的に持ち歩くスマートフォンが、そのたびに壊れていては困るので、iPhoneは耐水になったというわけだ。
こちらは、初めて耐水になったiPhone 7を分解した様子。本体とディスプレイの隙間に、薄いパッキンがあるのが見えるだろうか? このパッキンを挟むことで、耐水性を実現しているのだ。
iPhoneは、お尻のポケットに入れて座った時や、落下して衝撃を受けた時などに大きく曲がって力を吸収する。そのときにこのパッキンにも大きな力がかかり、ずれが生じ、水が侵入する可能性のあるルートが生じる可能性が増す。また、パッキンも経年劣化していく。いつまでも耐水性を維持できるわけではない。
分解して見てみると、回路や端子部分が樹脂で固められたりと、たとえ内部に水が入っても、端子が濡れないように工夫されている部分もある。努力されていることは確かなのだ。
