澤田:植民地支配は、日本だけがしていたわけではありません。イギリス、オランダ、フランスの支配が、日本より紳士的かというとそうとも言えません。
そして、支配に抵抗する独立運動が起こり、武装闘争が起こるのも歴史の必然です。その国の歴史の中では「正当な戦い」と評価されるのは当然のことです。
だから、植民地支配の時代背景を舞台としたドラマがすぐに「反日」だとは言えません。ただ、みたらしさんの話を聞く限り、そのNetflixのドラマに関しては、事実関係に問題があるように思えます。反日的だと感じる人がいるのは理解できます。
みたらし:難しい問題ですよね。日本と韓国、どちらの歴史的な物の見方に立つかによって、前提が変わる場合もある。そこに、両国が抱える歴史的関係性の複雑さがあるのでしょう。
「徴兵制」と「国防意識」の関係
澤田:別の社会、別の国、別の歴史があって、別の常識があるということをちゃんと認識することが大切ですね。それが、丹羽さんもお話しされていた「外の世界のことをちゃんと知る」ことにもつながるのだと感じます。
みたらし:別の社会といえば、韓国は徴兵制が存在していることが日本との大きな違いですよね。徴兵制の存在は、戦争に対する意識に影響するのでしょうか。
澤田:『Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない』では、「もし戦争が起こったら、国のために戦いますか?」という意識調査が取り上げられています(※「世界価値観調査」による22年の調査結果)。
調査では、日本で「はい」と答えたのは13.2%であるのに対して、韓国で「はい」と答えたのは67.4%でした。
日本社会には「国のために戦いますか」と聞かれたときに、「戦う」と答えなければいけないという規範意識はありません。
しかし、韓国の事情は違います。北朝鮮との軍事的な緊張状態が続いており、徴兵制もあるのですから、やはり「戦う、と答えるべきだ。答えなければいけない」という規範意識が働くわけです。
