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トランプ大統領の「復讐劇」成功は逆に「造反ドミノ」のおそれ、アメリカの財政問題がだんだんと心配になってきた

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次々と気にくわない共和党の「身内」に対抗馬をたてて復讐するトランプ大統領。だが、むしろ「造反ドミノ」のリスクが高まっている(写真:ブルームバーグ)

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5月19日(火)、アメリカでは6つの州で中間選挙(11月3日)に向けての予備選挙が行われた。なかでも注目は、前回の(「『トランプ王朝崩壊』のきっかけとなるのか? 5月19日のケンタッキー州予備選挙に大注目だ」)で取り上げた、共和党のケンタッキー州第4選挙区だった。

トランプ大統領の「復讐劇」が予備選で次々と「成就」

結果は驚くべきことに、現職のトーマス・マッシー下院議員が挑戦者エド・ガルレイン候補に45.1対54.9%で敗れ去る、というものであった。直前の16日(土)、ルイジアナ州予備選挙において、やはり共和党現職のビル・キャシディ上院議員が「まさか」の敗退を喫していたので、「これは容易ならぬ戦いになるのかも……」との予感はあった。それにしてもほぼ10ポイント差の敗北は強烈な結果であった。

何が起きているのか、と言えば、これはドナルド・トランプ大統領による一連の「復讐劇」である。キャシディ上院議員は、2021年に「1月6日」事件後の大統領弾劾裁判において、有罪判決に「賛成票」を投じた数少ない共和党議員の1人である。結果的に大統領は無罪になったし、両者はその後関係を修復していたのだが、トランプ大統領は「不忠者は許さん!」とばかりに有権者に対して「キャシディ追い落とし」を働きかけていた。

そして今回は、ケンタッキー州のトーマス・マッシー氏の番だったのである。リバタリアン(国や政府による介入を最小限に抑えて個人の権利を最大限尊重する自由至上主義者)的な思想の持ち主で、9割方は党の方針に賛成するのだが、ときに「マーヴェリック」(一匹狼)な議員である。

昨年はトランプ大統領が自賛した「ひとつの大きな美しい予算」に反対票を投じ、今年はイラン戦争に反対している。中でも民主党議員とともに、「エプスタイン文書」の開示法案を主導したことで、決定的にトランプ大統領の機嫌を損じてしまった。

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【今や共和党はすっかり「トランプ党」になってしまった】

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