とくにテキサス州は要注意だ。現職のジョン・コーニン上院議員が出る分には無難に再選されそうだが、新人候補者が出た日には一気にわからなくなる。対抗馬と目される、民主党の同州新人候補、ジェームズ・タラリコ氏はまだ37歳。「元神学生」という異色の経歴を持つ下院議員だが、人気は赤丸急上昇中である。典型的な共和党の「レッド・ステーツ」たるテキサス州において、民主党上院議員が誕生したら、それこそ「ジャイアント・キリング」ということになる。
共和党で増殖する「トランプ恐くない議員」たち
実はそれだけではない。共和党内には「自分は大統領なんて怖くない」という「無敵の人」が少しずつ増えている。最初はトム・ウィリス上院議員(サウスカロライナ州)が、この秋に再選を目指さないことを宣言して、FRB(連邦準備制度理事会)人事でジェローム・パウエル議長の援護に回るなど「反トランプ」色を鮮明にしてきた。
前上院院内総務のミッチ・マコーネル(ケンタッキー州)も、今期限りの引退を公表している。19日(火)に行われた予備選挙では、順当に元腹心のアンディ・バー下院議員が後釜に決まった。トランプ大統領とは今もビミョーな関係を維持しているが、その気になればいつでも叛旗を翻すことができる立場だ。
今月、予備選に敗れたビル・キャシディ上院議員(ルイジアナ州)も、今後は遠慮なく大統領に逆らうことができる。ひょっとすると月内にも、前出のジョン・コーニン上院議員(テキサス州)がこれに続くかもしれない。
そうでなくても共和党上院には、ときに党の方針に逆らう穏健派議員、スーザン・コリンズ氏(メイン州)とリサ・マコウスキ氏(アラスカ州)がいる。上院の議席数は共和党53対民主党47なので、造反者が4人出ると法律が通らなくなる。トランプ大統領の身内に対する「復讐劇」が続くことで、議会の票読みがだんだん難しくなっていきそうなのだ。いや、そのうちに共和党内で、「造反ドミノ」が生じるんじゃないだろうか?
他方、投資対象としてのアメリカは、20日(水)には画像半導体最大手のエヌビディアから「満額回答」のような好決算が飛び出したりして、AIブームの相変わらずの強さが確かめられたところ。とはいえ、長期金利の上昇が株価の懸念材料ともなっている。
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【長期金利の上昇は止められない?】
