東洋経済オンラインとは
ビジネス

ニデック岸田社長、品質不正に関し「どの商品にどう使われているか詳細の報告が欲しいという声を強くいただいている」

4分で読める
5月21日、都内でロイターの取材に応じる ニデックの岸田光哉社長。携帯電話で撮影(写真:ロイター)

INDEX

ニデックの岸田光哉社長は21日、ロイターのインタビューに応じ、外部資本に頼らず、あくまで自主再生で取り組む考えを示した。今後の成長戦略に不可欠なM&A(企業の買収・提携)などを考えても「上場維持は譲らない」と強調した。

今後もM&Aが起爆剤に、金融機関の支援継続

岸田社長は「今後の成長を考えると、M&Aが起爆剤になる。株式交換や上場企業であることをベースにより大きな事業の土俵を目指していくことを考えると、上場維持は譲らず、その先の事業を考えていきたい」と述べた。

上場している以上「配当ができていないと、厳しい目線もある。いつとは言えないが、配当がしっかりと出せるように、決算書を早くまとめたい。それができれば、自然と東京証券取引所に出す内部管理体制確認書も固まってくる」とした。

現状、他社から資本を入れるような話は来ていないとし「自主再生で取り組んでいきたいと考えている」と強調。2025年11月に銀行と結んだ6000億円のコミットメントライン契約はそのまま残っているほか、キャッシュフローも潤沢にあり「急激に資金が必要な状況にはない。メインバンクを含めて金融機関には引き続きご支援いただいている」とした。

品質不正、現場からの指摘は「新たなサイン」

同社は13日、顧客に無断で部材や工程、設計を変更するなど品質不正行為の疑いが1000件超あると明らかにした。8月末までに調査委員会の調査を終え、10月には、東証による特別注意銘柄の指定解除に必要な内部管理体制確認書の提出を目指している。

岸田氏は、品質不正に関し「どの商品にどう使われているか詳細の報告が欲しいという声を強くいただいている。日夜、全世界の営業がそのやり取りをしている」と明かした。岸田社長自身も週末に米国に出向き、顧客に説明し、20日に戻ってきたという。

足元まで、発注の取り止めや取引の見直しのようなことは起きていない。品質問題のほとんどが4M(人、機械、材料、方法)変更であり、現時点で製品の機能や安全性に関する不具合はないため「そこから大きな会計的な課題が出てくるものは少ない」とした上で、発注の手控えや補償などが出てくる可能性が「ないとは言えない。出てくれば、適切に対応していく」と述べた。

品質問題については、4月の新体制移行後に現場から多くの声が上がったという。岸田氏は「新たなサイン。これで直していける、ひとつの大きなトリガーになる」と期待を込めて話した。

イーアクスル、「やった意味は確実にあった」

同社は、創業者である永守重信氏の拡大路線の象徴的な事業だったEV駆動装置「イーアクスル」事業を大幅に縮小する。中国自動車大手の広州汽車集団と設立した合弁会社については「合弁解消に向けて協議を開始しようとしている」とした。13日に公表した「再生に向けて」では、構造改革・転換領域に「イーアクスル」を位置付けていた。

ただ、「イーアクスル」には「いろいろな技術が詰まっており、これをやったことで得られる技術ノウハウは莫大だった。事業や利益としては失敗だったかもしれないが、これをやった意味は確実にあった」とし、事業の名称は変わるかもしれないが「特に日本の顧客向けの開発は継続したい」と述べた。

「イーアクスル」のほか、民生用家電やM&Aで拡大してきた機械装置などについても、事業内容の見直しを行う方針。検討の中で「事業から撤退すべきという判断もないわけではない」とした。今秋までにはタイムスケジュールも含めて中期計画を出すことにしている。

香港の投資ファンド、オアシス・マ‌ネジメントは同社株を6.78%保有している。オアシスが推薦した社外取締役候補とも指名委員会は面談し、今回の役員候補が決まったという。岸田氏は「1株主として対話させていただいている」と述べるにとどめた。

(清水律子 編集:内田慎一)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象