週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #マネー潮流

パウエル前議長が理事として残留しFOMCは分裂含み、大統領の介入圧力でウォーシュFRB新議長の政策手腕が求められる

5分で読める 有料会員限定
4月29日のFOMC後の記者会見で質問に答えるパウエル前議長(写真:ANNA ROSE LAYDEN/The New York Times)
  • 木内 登英 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト

INDEX

2026年5月15日にFRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が任期を終えた。トランプ大統領によって後任に指名されたケビン・ウォーシュ氏が、近く新議長に就任する。

パウエル氏にとって議長として最後の参加となった可能性が高い4月28日、29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、事前予想どおりに政策金利の据え置きが決定された。今回のFOMCで最大の注目点は、パウエル氏の去就であった。同氏は、FRB本部改修工事をめぐる自身への米司法省の捜査を、トランプ政権によるFRBへの不当な政治介入と受け止め、捜査が終了するまでは理事職にとどまり政権との対決を続ける考えを示していた。

専門家が日本や世界のマーケットの現状と先行きを鋭く分析。【水曜日更新】

4月24日に司法省は捜査打ち切りを発表したものの、ワシントンの連邦地検の検事正が必要に応じて再開する可能性を示したことから、パウエル氏は当面理事職にとどまり、「適切だと判断した時点で退任する」とFOMC後の記者会見で説明した。議長としての任期終了後も、理事としてFOMCでの金融政策決定への関与を続けることになる。

FOMCは2トップ状態に

金融政策をめぐるパウエル氏とトランプ大統領との激しい対立は、今後も続く可能性が高い。パウエル氏が理事として参加し続けることで、FOMC内に事実上の「2トップ」状態が生まれる可能性がある。金融緩和を強く望むトランプ大統領の意向を受けたウォーシュ新議長がハト派的議論を主導し、緩和重視派が同氏の下に集結する一方、金融緩和慎重派が、反ハト派と見なされるパウエル前議長の下に集まり、FOMCが分裂する事態も想定される。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象