中東情勢の長期化を受けて、高市早苗首相は5月18日に開かれた政府与党連絡会議で、補正予算の編成を含めたエネルギー価格高騰への対応を指示した。また、自民党の小林鷹之政調会長と日本維新の会の斎藤アレックス政調会長には、7~9月の電気・ガス料金支援策をまとめるように求めた。
2月に衆議院選挙が行われたため、今国会は特別国会となったが、例年なら通常国会の真っ最中。2年連続で過去最大となった2026年度当初予算は4月初めに成立したばかりで、通例なら補正予算は秋の臨時国会で編成される。にもかかわらず、異例の補正予算編成となるのは、中東情勢が混迷を極めているからだ。
すでに政府は3月19日、ガソリン1リットル当たり170円を超える部分について補助を開始。また軽油や重油、灯油についてもガソリンと同額、航空燃料についてはガソリンの4割の補助を行っている。
その予算としては、燃料油価格激変緩和基金の残りの2800億円に25年度予算の予備費約8000億円を追加した。4月末時点で約9800億円残っているが、ホルムズ海峡をめぐる問題が解決しないままでは、いずれ枯渇することになるだろう。
高市首相「石油ショックではない」
1973年の第1次石油ショックでは、当時の田中角栄内閣は国民に節約を呼びかけ、三木武夫副総理(当時)を中東8カ国に「特使」として派遣した。また「石油需給適正化法」と「国民生活安定緊急措置法」を閣議決定し、立案から制定まで1カ月で成し遂げた。持論の「日本列島改造論」もいったん封印した。
一方で、高市政権は景気を冷やしたくないために、「石油ショックではない」との主張を変えていない。しかし“出口”は見えていない。高市首相は5月15日、米中首脳会談を終えて帰途にあったドナルド・トランプ大統領と電話会談を行ったが、芳しい報告を聞くことはなかったようだ。
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【高市首相は強気の姿勢を貫くが…】
