私がいつもお伝えしているのは、難しく考えずに「自分の資産全体の中で、株式がどれくらいの割合を占めているか」を基準にすれば十分だということです。
株価が上がってくると、買い足していなくても株式の比率は自然に増えていきます。たとえば全体の資産のうち株式が50%だったものが、株価の上昇によって60%、70%と増えていくことがあります。この「増えた分」をもとに戻すだけでいい。それが私の言う「修正する・戻す」という行為です。
じつは、こうした調整を行っていくと、どんな投資手法を使ったとしても、最終的には似たような形に落ち着きます。つまり、上がったものを少し売り、下がったものを買い足すという行為に行きつくのです。いわゆる「リバランス」と呼ばれるものです。
リバランスは、上がりすぎた資産を売り、下がった資産を買うという、非常に理にかなった方法です。投資の判断が難しいと感じる人ほど、「バランスを整える」という考え方に立ち戻ることで、感情に振り回されることなく、長期で安定した運用ができるようになります。
ただし、人間の感情は理屈どおりには動きません。「損するんだったらやらなきゃよかった」と、どうしても短期的に考えてしまう。しかし、動揺して狼狽売りしたところで、自分の人生の得にはなりません。得にならないと思っていれば、そもそも売らないはずです。
新NISAを始めたのはいいものの、下がったショックで売ってしまった人は、おそらく多くの人がもう二度と市場に戻ってこないでしょう。投資を「怖いもの」として記憶してしまうだけだからです。
下がったときに少しだけ立ち止まり、「売ったほうがいいのか」「買ったほうがいいのか」考えてみましょう。
「全勝狙い」ではなく「勝ち越し狙い」
投資で失敗すると、「もう二度とやらない」「損しかしなかった」と後悔を口にする人がいます。しかし、投資は不確実性がつきもので、どんなベテラン投資家も、勝ち続けることは不可能です。市場の変動や予期せぬ出来事によって、損失が生じることもあります。
実際、プロのファンドマネジャーでも「51勝49敗」なら優秀といえます。全戦全勝することは難しく、勝ち越すこと、つまりトータルで利益を出すことが重要です。
