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18歳で消費者金融に走り、600万円を後輩に渡して上京…元ヤンキーが「全財産700円」から「福祉の最前線」に立つまで

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熊谷勇太さん
重度心身障害者や医療的ケアが必要な人でも入居できるシェアハウスを運営する熊谷勇太さん(写真:筆者撮影)
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「最初は疲労困憊な顔をしている親御さんが多いんですが、今ではいつ会ってもお互い笑顔です」

離れて暮らすことで変化するのは、親だけではない。数単語しか話せないと聞いていた人が、いつのまにか数え切れないほどの単語を覚えてよく喋るようになったり、ヘルパーとふざけ合って遊ぶようになったりした。いずれも「自宅にいるときは想像できなかった」と家族は驚いている。

「たまたま介護だっただけ」それでも、楽しいしかない

シェアハウスを立ち上げたあとは、「利用者を囲っている」「税金を食い物にしている」などと叩かれたこともあった。道路も学校もあらゆるものが税金で成り立っているはずなのに、福祉でお金をもらうことがとりわけ標的にされることを嘆く。

それでも熊谷さんは今も、情報収集や勉強に勤しむ。毎朝8時半に出勤し、夜は4歳の娘を寝かしつけたあと、スマホとタブレット2台、そしてパソコンをデスクに並べ、真ん中にノートを開く。介護福祉の分野にとどまらず、バラエティ、時事、デザイン、歴史など、ありとあらゆる情報を摂取し、気になったことはすべてメモする。

眠れない夜も、大変なこともたくさんある。けれども、「いまだに『楽しい』しかないですね」と笑う。

趣味は料理だ。時間があるときは夕食づくりやお弁当づくりもする。2番目の母親に仕込まれた料理の基本に忠実に、毎年お正月には入居者家族に煮しめなどの手料理をふるまう。

「熊谷さんの料理は本当においしくて、毎年楽しみにしているんです」と入居者の家族は顔をほころばせた。

大好物は吉野家の牛丼、愛車は日産のNOTEだという熊谷さん(写真:筆者撮影)

目の前の人ができないことを自分がやって、喜んでもらう。その仕事がたまたま介護だっただけだ。なにか一つでもピースが違えば、もしかしたらラーメン屋だったかもしれない。

HABINGの社是は、「利用者、ご家族、従業員とその家族の、選択肢と可能性を広げる」だ。利用者だけでなく、かかわってくれるすべての人と対等に向き合い、大切にする姿勢は、「最強の中学生」と恐れられた少年時代から変わらない。

ただ一つ違うのは、今の熊谷さんには、「誇れること」がちゃんとあることだ。

《合わせて読む→→→》前編:「私が死んだら娘はどうなるのか」重度障害児の親が抱える不安を「補助金ゼロ」の"家"が解消する理由

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